日本バス協会は6月23日、東京都千代田区の経団連会館で第90回定時会員総会を開き、新会長に神奈川中央交通の三澤憲一会長を選んだ。三澤会長は「バス事業は少子高齢化の進展や、外国人旅行者の急増など環境の変化の中で乗車ニーズも多様化している。安全、安心な輸送サービスを提供しなければならない」と強調した。
また、今後の取り組みについては「バス事業の根幹の安全の確保に取り組む。交通事故防止、飲酒運転の撲滅、乗務員の健康管理を実施し、安全確保と法令順守を行いたい。バリアフリー化や旅行者へのサービス向上に取り組む。乗務員不足や東京五輪・パラリンピックの輸送体制など課題もあるが、意見を取り入れながら取り組んでいきたい」との考えを示した。
軽井沢スキーバス事故についても言及し、「貸し切りバス事業では軽井沢スキーバス事故対策を事業者自らが中身を詰めることが重要。悪質な事業者も排除しなければならない」と語った。
昨年度の事業報告では、軽井沢スキーバス事故対策と安全、安心なサービスの提供に向けた取り組みを発表。規制強化や事業許可の更新制度、旅行会社の連携による安全対策の推進の取り組みを行った。
今年度、事業計画では、地域路線の交通活性化の対応として、乗合バス路線の維持や再編、輸送サービスの向上に取り組む。軽井沢スキーバス事故を受けた対応として、安全対策と貸し切りバスの健全な経営基盤の確立を推進する。過疎地域の交通手段としてあり方が問われるライドシェアについては地方自治体と道路運送上の問題、安全上の問題などを検討し、対応することを報告した。
また、同総会において、役員体制を発表した。
新役員体制は次の通り(6月23日付、敬称略)。
会長 三澤憲一(神奈川中央交通会長)▽副会長北海道 平尾一彌(北海道バス協会会長)▽同東北 松本順(福島県バス協会会長)▽同関東 山口哲生(東京バス協会会長)▽同北陸信越 辻川徹(富山県バス協会会長)▽同中部 加藤信貴(愛知県バス協会会長)▽同近畿 井波洋(大阪バス協会会長)▽同中国 椋田昌夫(広島県バス協会会長)▽同四国 清水一郎(愛媛県バス協会会長)▽同九州 倉富純男(福岡県バス協会会長)▽同東京 富田浩安(日の丸自動車興業社長)▽同JRバス 万代典彦(ジェイアールバス関東会長)▽同公営・川崎市 平野誠(川崎市交通局局長)▽理事長 梶原景博▽常務理事 船戸裕司▽同 中嶋邦夫▽顧問・理事 堀内光一郎(富士急行社長)▽顧問 髙橋幹(神奈川中央交通相談役)▽同 島倉秀市(京王電鉄バス相談役)▽参与 長尾政美