JTBとパナソニックは、観光関連分野での共同事業による新サービスとして、旅館・ホテルなどでの多言語の観光案内・接客を支援する「ジャパン・フィッター」と、外国人客の手ぶら観光を実現するサービス「ラゲージフリー・トラベル」の16年度中の商用化を目指す。これらの実証実験を9月から開始した。
ジャパン・フィッターは、パナソニックの多言語翻訳技術を用いた4カ国語対応音声翻訳(日・英・中・韓)と、定型文案内を併用し、訪日外国人客への案内をサポートする「コンシェルジュ業務支援サービス」。自治体や交通機関、医療機関などの情報が収集できるほか、観光地や飲食店など目的地までのルート検索やJTBの着地型商品の購入も可能だ。
1日から10月31日までの実証実験では、観光立国ショーケースに採択された長崎・雲仙の宿泊施設・観光案内所10カ所と、JTB協定旅館ホテル連盟インバウンド委員会の宿泊施設11カ所、都内ホテル6カ所に端末を設置している。
JTB旅ホ連の11カ所は、あかん遊久の里鶴雅(北海道)▽蔵王温泉深山荘高見屋(山形県)▽ホテル松島大観荘(宮城県)▽鬼怒川グランドホテル夢の季(栃木県)▽和倉温泉加賀屋(石川県)▽高山本陣平野屋花兆庵(岐阜県)▽かつうら御苑(和歌山県)▽琴平グランドホテル桜の抄(香川県)▽湯田西の雅常盤(山口県)▽阿蘇の司ビラパークホテル&スパリゾート(熊本県)▽ホテル日航アリビラ(沖縄県)。
ラゲージフリー・トラベルでは、訪日外国人客が日本到着や周遊移動、帰国の際に日本語で送り状を手書きすることなく、大型手荷物を宿泊施設や空港まで輸送でき、目的地では手ぶら観光が楽しめる。受け付けした大型手荷物の集荷や配送のオペレーションは、ヤマト運輸が行う。
羽田空港や都内ホテルにサービス受付用端末を設置し、10月31日まで技術や運用を検証する。外国人客はJTBの予約管理システムで宿泊を購入する人を対象とする。