ジャパニーズ・イン・グループ(JIG、福田金也会長=栃木県・タートル・イン・日光、85会員)は19日、東京の新宿野村ビルで観光庁、日本政府観光局(JNTO)など関係者との懇親会を開いた。福田会長は、外国人観光客1千万人を目指すビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)が官民挙げて行われている中、外客の受け入れを30年間行ってきたグループの実績を強調。会員を増強し、外客のさらなる拡大に寄与したい考えを示した。
福田会長は「世界経済の後退、新型インフルエンザの発生で、昨年の訪日客は679万人、前年比18.7%のマイナスとなった。欧州などの個人客が主な客層のグループ旅館も、多いところで20%のマイナスになっている」と、昨年のグループの状況を報告。また「年明けから回復の兆しをみせていたが、アイスランドの火山噴火の影響を受け、宿泊キャンセルのメールが相次いだ」と今年に入っても変わらぬ厳しい状況を指摘した。
福田会長は懇親会に先立って行った今年度のグループ総会にふれ、「22年度は事業計画のトップに『外国人客に対するグループ加盟館の価値の向上』を挙げた。施設の特長、体験できることを積極的にPRし、選ばれるグループ旅館、宿泊が旅の手段から目的になるよう努めたい」と述べた。
さらに訪日外客を今年1千万人、将来的に3千万人にする国の目標にふれ、「我々は30年間培ってきた外客受け入れのノウハウを持っている。目標達成へ、我々の役割は大きいものがある。今後、会員を増強するとともに、施設が持つ外客受け入れの障害を取り除き、国全体の受け入れ態勢整備、外客の拡大に寄与したい」と述べた。
来賓からは、観光庁の溝畑宏長官があいさつ。「観光の現場で努力されているグループの皆さま方に感謝申し上げる。観光は国にとって重要な産業。皆さまとともに、観光を通して日本を元気にしたい」と述べた。
JNTOの間宮忠敏理事長は「手段から目的へ、というJIGの戦略を聞いて心強く感じた。世界の見本市にも積極的に出展いただき、『JIGここにあり』と世界の人に伝えてもらいたい」とあいさつ。
このほか日本ツーリズム産業団体連合会の舩山龍二会長が「外客3千万人時代はお客さまがますます個人化、リピーター化、地方化していく。皆さまの役割はますます重要になる」、国際観光サービスセンターの向山秀昭会長が「押しつけではなく、求められたことに誠心誠意対応する。JIGは近代ツーリズムの原点だ」と、それぞれあいさつした。
JIGは訪日外客を積極的に受け入れる中小規模でリーズナブルな料金の日本旅館の組織。
グループの現状を報告する福田会長