京都に6年ぶり三つ星 「美山荘」が新たな最高評価 ミシュランガイド京都・大阪2026


新二つ星5軒、新一つ星19軒 関西初のソムリエアワードも

 日本ミシュランタイヤ株式会社は4月23日、「ミシュランガイド京都・大阪2026」の全セレクションを発表した。京都の「美山荘/Miyamaso(日本料理)」が評価を上げて新三つ星となり、京都・大阪に新たな三つ星が誕生したのは2020年版以来、6年ぶりとなる。

 京都の日本料理店「美山荘」(中東久人氏)が、2026年版で三つ星を獲得した。

 同店は2010年の初版掲載時に一つ星、翌年に二つ星を取得。2021年版からはグリーンスターにも選出されており、今回の三つ星昇格でグリーンスターも維持した。

 中東氏は自らが摘んだ旬の自然の恵みを使い、洗練された料理を提供している。春は山菜、夏は川魚、秋はきのこ、冬はジビエなど、里山の恵みを感じられる献立が特徴。自然豊かな里山にあり、静かな空間で特別な時間を過ごせる料理旅館だ。女将の中東佐知子氏は2023年版でサービスアワードを受賞しており、スタッフ全体のおもてなしも高く評価されている。

新二つ星5軒、いずれも日本料理

 新二つ星は日本料理から計5軒が誕生した。いずれも昨年の一つ星から評価を上げた。

 京都の4軒は「獨歩/Doppo」「東山 吉寿/Higashiyama Yoshihisa」「室町 唯/Muromachi Yui」「徳八本也/Tokuha Motonari」、大阪の1軒は「照屋/Teruya」だ。

 「獨歩」は、店主の宮澤政人氏が3店舗目に開いた集大成といえる日本料理店。料理、器遣い、室礼など、食事を通して日本料理の美意識を体感できる。

 「東山 吉寿」は、店主の鈴木吉寿氏と料理人たちの一体感と躍動感が魅力の日本料理店。食材の紹介から調理までカウンターで仕上げる一品もあり、同店ならではのもてなしを感じられる。

 「徳八本也」のおまかせは、店主の松本進也氏の修業時代の経験を踏まえつつ、新たな料理を志している。囲炉裏に食材を立てたまま焼くなど、正統な仕立てもあれば創意ある品もあり、自らの料理を探求している。

 「室町 唯」は、ここでしか味わえない料理と空間によって「唯一無二」を掲げる割烹店。前田一光氏はおまかせを月替わりとし、日本料理の歳時記を大事にしている。月ごとの風習や行事を映す八寸も美しい。

 大阪の「照屋」(照屋克規氏)は、京都で鍛えた技術と柔軟な感性で独自の料理を探究している。だしの調和に心をくだき、淡味に仕立て、素材感を引き立てる。椀物、蒸し物、炊き合わせは、食材の風味をだしに移し、深みのある味わいに仕上げるのが特徴だ。

新一つ星は京都12軒、大阪7軒

 新一つ星は京都で12軒、大阪で7軒が誕生した。

 京都の12軒のうち、評価を上げた5軒は以下の通りだ。「即今藤本/Sokkon Fujimoto(日本料理)」は料理、室礼、もてなし、万事に気を配る割烹料理店。「ひがしやま司/Higashiyama Tsukasa(日本料理)」の個性を重視したおまかせには、西洋やアジアの食材も取り入れながら自由に創作している。「よこい/YOKOI(日本料理)」は日本料理の基本を守りつつ、食材の組み合わせに工夫を凝らす。「宮川町 ほった/Miyagawacho Hotta(日本料理)」はビフカツを組み込んだ、どこか懐かしくホッとさせる料理。「ジェルモーリオ/Germoglio(イタリア料理)」は、イタリアの郷土料理のレシピに京都の食材を書き足し、独自性を追求している。

 新規掲載の7軒は「ムベ/MUBE(日本料理)」「東山 緒方/Higashiyama Ogata(日本料理)」「萬寿寺はくらん/Manjuji Hakuran(日本料理)」「イマ/ima(フランス料理)」「コガ/Koga(フランス料理)」「韓式料理ピョリヤ/Korean Restaurant Byeoleeya(韓国料理)」「ルーラ/LURRA°(イノベーティブ)」。

 「ムベ」は塩麹、魚醤、味噌といった自家製調味料を駆使し、だしと発酵の旨みの相乗効果を生み出している。「東山 緒方」は一品に盛り込む食材を最小限にし、素材の持ち味を存分に引き出す。「萬寿寺はくらん」はハトシや五島うどんなど、五島出身の店主が京都から長崎の魅力を伝える。「イマ」は町家でフレンチと薪火を組み合わせたカウンターレストラン。「コガ」は炭火で焼く肉料理に交わるソースの香りが個性的だ。「韓式料理ピョリヤ」は宮廷料理を学んだシェフによる医食同源の理念に基づくモダンな料理。「ルーラ」は日本の四季と各国の食文化を掛け合わせ、クリエイティブな感性で創り出している。

 大阪の新一つ星7軒のうち、評価を上げた3軒は「十皿/Tosara(現代風料理)」「アトリエハナダ/atelier HANADA(中国料理)」「ぬまた双/Numata Sou(天ぷら)」。新規掲載4軒は「浮田町 いま/Ukitacho Ima(日本料理)」「八孟/Hachi(日本料理)」「鮨重永/Sushi Shigenaga(寿司)」「エンパティ/Empathie(フランス料理)」だ。

新ビブグルマンは京都3軒、大阪9軒

 新ビブグルマンは京都で3軒、大阪で9軒が誕生した。

 京都の3軒は「麩屋町久らく/Fuyacho Kuraku(居酒屋)」「らぁ麺や ふぢとら/Ramenya Fujitora(ラーメン)」「木陰/KOKAGE(蕎麦)」。

 大阪の9軒は「ピタックごはん/PITAK GOHAN(タイ料理)」「中華旬彩森本/Chukashunsai Morimoto(中国料理)」「とんかつ みな斗/Tonkatsu Minato(とんかつ)」「酒肴 大阪まんぷく堂/Shuko Osaka Manpukudou(日本料理)」「ディーバ/DIVA(フランス料理)」「ビストロ ヌフ/bistrot neuf(フランス料理)」「炭匠 御厨/Sumisho Mikuriya(焼鳥)」「炭火いわ田/Sumibi Iwata(焼鳥)」「麺処 全て/Mendokoro Subete(ラーメン)」だ。

関西初のソムリエアワード、各種アワードも発表

ソムリエアワードには、大阪のセレクテッドレストラン「ルイーズ/LOUISE(フランス料理)」のオーナーソムリエール、田中美希氏が選ばれた。大阪エリアでは初の受賞となる。

田中氏はキッチンを担うシェフのヤニック・ラオプニュから深い信頼を寄せられ、レストランの立ち上げから苦楽を共にしてきた。スパイスの香りやフルーツの酸味を巧みに操るシェフの感性を熟知しており、ゲストの好みも瞬時に察知してワインを提案する。

メンターシェフアワードは、大阪の三つ星でグリーンスターの「柏屋 大阪千里山/Kashiwaya Osaka Senriyama(日本料理)」の松尾英明氏が受賞した。松尾氏は海外からの研修生を迎え入れ日本料理の技術と本質を伝えるほか、調理師学校での次世代指導、地域の料理人による研究会への参加など、後進育成と地域食文化の発展に貢献している。2025年の大阪・関西万博では大阪の豊かな食を国内外に発信した。

サービスアワードは、京都の二つ星でグリーンスターの「高台寺和久傳/Kodaiji Wakuden(日本料理)」の桑村祐子氏が受賞した。「心温かきは万能なり」という言葉を指針とし、従業員を家族のように慕い、若手料理人に活躍の場を与えてきた。創業地の京丹後では植林して森を再生させるなど、地域活性化にも貢献している。

セレクション全体と今後の展開

2026年版のセレクション総数は、京都244軒、大阪235軒の計479軒。三つ星は京都6軒・大阪3軒の計9軒、二つ星は京都19軒・大阪12軒の計31軒、一つ星は京都73軒・大阪66軒の計139軒。グリーンスターは京都10軒・大阪3軒の計13軒となっている。

ミシュランガイドインターナショナルディレクターのグウェンダル・プレネックは次のようにコメントしている。「新たなセレクションは、京都と大阪の更なる進化を証明しています。新三つ星や新二つ星5軒、新一つ星19軒の誕生という躍動するセレクションは、インスペクターたちを驚かせました」。また、「ミシュランガイドにおいしい料理を示す星の登場から100周年を迎えてなお、変わらぬ独自の評価メソッドでおすすめの飲食店・レストランの紹介を続けています」とした。

日本ミシュランタイヤ株式会社代表取締役社長の須藤元氏は、「京都と大阪は、長い歴史と文化を礎にしながら、常に進化を続けてきた美食の都です」と述べた上で、「レストランの評価にとどまらず、旅の計画から移動、体験までをサポートし、人々が”移動する喜び”を通し、地域の食文化や人と出会う機会をこれからも提供してまいります」とコメントした。

最新セレクションはミシュランガイド公式ウェブサイト(https://guide.michelin.com/jp/ja)および公式アプリで確認できる。書籍・電子書籍は4月28日(火)発売。定価は3,498円(本体3,180円+税10%)。

 
 
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