ゴールデンウイーク(GW)期間の各運輸機関の国内での利用状況が出そろった。ETC対象の料金割引で注目された高速道路は、交通量が大幅に増加。大規模な渋滞も前年に比べ倍増した。高速道路利用の好調の一方で、JRは新幹線利用の低調が目立つ結果となった。航空は大手2社ともにほぼ前年並みの利用状況だった。
■高速道路
各高速道路の主要区間の交通量は、北陸自動車道の朝日〜親不知が前年比77%増の5万1400台となったほか、東北自動車道の猪苗代磐梯高原〜磐梯河東が同52%増の4万3600台、高松自動車道の善通寺〜三豊鳥坂が同41%増の6万6400台になるなど、各自動車道とも軒並み前年を10%以上超える伸びとなった。
また渋滞の発生件数も激増。10ポイントポイント以上の渋滞は前年比92.6%増の414回、30ポイントポイント以上の渋滞は同107.1%増の58回となった。
高速バスのうち、全国で高速ツアーバスを運行するウィラートラベルの利用者数は、前年同期比45%増の6万6282人だった。昼行便増便による、昼行便利用者の増加(同328%増)も好調を後押しした。地方路線やシートバリエーションの充実も利用増につながった。
ETC割引による高速道路の混雑で、着時間の大幅な遅れなども懸念されたが、「運行管理を行う『24時間運行センター』からの連絡により混雑箇所を回避するなどしたことで、遅延トラブルはなかった」と同社。
■JR
JR北海道の4月24日〜5月6日の主要4線区の輸送実績は、前年同期比2%減の37万2700人だった。
JR東日本の新幹線、特急、急行列車の利用状況は、前年比6%減の463万6千人と低調。新幹線は、長野新幹線が同1%増だったほかは、前年実績を割り込んだ。行楽地最寄りの駅の利用状況は、弘前さくらまつりが開催された弘前駅が同5%増の65万6千人、善光寺の御開帳で注目される長野駅が同6%増の260万5千人。近距離切符の発売実績では、開国博Y150の開催で、横浜駅が同2%増、桜木町駅が同5%増となった。
JR東海の特急列車の利用人員は、同8%減の353万7千人。このうち新幹線は同7%減の333万1千人、在来線特急は同10%減の20万6千人だった。線区別では、前年実績を超えたところはなかった。
JR西日本の新幹線、特急、急行の利用者は、同7%減の243万人だった。このうち新幹線は同6%減の152万人、特急・急行は、同9%減の91万人。
JR四国は瀬戸大橋線の利用状況は、同11%減の29万6千人と2ケタの減少となった。主要3線区では、同12%減の14万7600人だった。JR九州の利用状況は、新幹線が同11.2%減の12万1800人と大きく減らした。主な在来線特急は、同7.6%減の65万2500人。
■国内航空
日本航空(JAL)グループの総旅客数は、前年同期比0.8%増の106万3066人だった。利用率は、66.2%だった。「利用率は前年より向上した」と同社。このうちJALとJEXの方面別の利用状況では、北海道方面(同1.3%増)、中国・四国方面(同5.3%増)、沖縄方面(同5.6%増)が好調。東北・北陸方面は同6.1%減と低調だった。
全日本空輸(ANA)グループの総旅客数は、前年同期比0.6%増の107万4674人だった。利用率も提供座席数が同5.2%減の163万5369席と減少したことなどから同65.7%と前年より3.8ポイント上昇した。方面別の旅客数では、東北・北陸(同4.7%減)、中・四国(同2.4%減)が減らしたものの、関西が同5.1%増だったのをはじめ、各方面が前年を超えた。
北海道国際航空(エア・ドゥ)の総旅客数は、前年同期比1.2%減の4万4582人だった。搭乗率は83.3%。前年実績を超えた路線はなかった。スカイマークの総搭乗者数は前年同期比17.6%減の7万8198人。全路線とも前年実績割れした。搭乗率は76.2%で、同5.2ポイント減だった。スターフライヤーの総旅客数は、前年同期比2.8%増の2万6445人と伸びた。利用率は79.2%で同2.8ポイント増。
スカイネットアジアの総利用者数は、前年同期比23.3%増の3万315人で2ケタ増となった。搭乗率は77.6%。鹿児島〜東京便の臨時便の運航などによる提供座席数の増加(同6.1%増)が後押しした。
旅行客で混雑する伊丹空港