Agodaインターナショナルジャパン代表取締役・Agoda北アジア統括アソシエイトヴァイスプレジデント 大尾嘉宏人氏に聞く

  • 2022年9月23日

大尾嘉氏

日本市場での認知度が向上

日本特有の子ども料金設定、クーポン機能を追加

 日本での海外旅行が復活の兆しを見せる中、オンライン旅行会社「アゴダ」を取材した。同社は、初の大規模なテレビキャンペーンの実施や掲載物件数の拡大、旅行商品のローカライズなど、日本での存在感を急速に高めている。アゴダ・インターナショナル・ジャパン代表取締役、アゴダ北アジア統括アソシエイト・バイスプレジデントの大尾嘉宏人氏に事業展開全般について話を聞いた。

 ――日本の国内宿泊の取り扱い状況は。

 国内宿泊の予約数だけでいうと、2019年の水準を超えて推移し、上昇のトレンドが続いている。アゴダサイト内で日本国内の宿泊を検索した件数は、22年1~5月で前年同期比189%増と約3倍に増えている。昨年夏に開始した「国内施設向けカスタマイズプラン」の予約も伸びている。これは個々の宿泊施設が企画した限定プランやアップグレードプランを掲載できる仕組みで、日本市場のニーズに合わせてローカライズした機能だ。当社のプラットフォーム上の中小の宿泊施設の皆さんを支援する継続的な取り組みの一環だ。ターゲット層によりよくリーチするためのサービスと当社の業界屈指のテクノロジーを提供している。消費者にしっかり宿泊プランを紹介すると、しっかりパートナーのための予約に結び付くと実感できた。

 ――他に日本市場特有の取り組みは。

 日本では、商品のローカライズが非常に重要だ。宿泊施設が、子ども料金を設定できる機能の提供を始めた。施設からは「何でできないのか」と言われてきたが、ヒアリングとテストを重ね、8月から順次開始し、本格的な運用が始まっている。日本国内のOTAには備わっている機能だが、グローバルOTAで子ども料金の設定に取り組んだのはアゴダが初めてではないか。また、宿泊割引のクーポンの活用にも力を入れている。日本の宿泊施設には、なじみのあるマーケティングの手法なので、できるところから取り入れている。日本のお客さまが何を求めているかを理解し、プラットフォーム上でお客さまのニーズと物件を合致させ、お客さまのご予約体験の質を向上させるために最善を尽くしている。グローバルなリソースを活用することで、迅速な対応が可能であり、現地のニーズに合ったローカライズされた商品を生み出すことができる。

 ――日本市場におけるアゴダの強みとは。

 宿泊施設のDX(デジタルトランスフォーメーション)をサポートするという観点でいえば、三つあると考えている。

 一つ目は 宿泊施設が必要な情報をしっかりフレキシブルに管理できるようなシステムを提供できること。アゴダではYCS(イールド・コントロール・システム)と呼んでいるが、レートプラン、カスタマイズプランなど、施設のさまざまなコンテンツをプラットフォームに乗せるシステムや管理画面が使いやすいように、ローカルなニーズに機能を対応させている。

 二つ目は、消費者から見た時に宿泊施設、宿泊プランをスムーズに検索でき、簡単に予約できるUX(ユーザー・エクスペリエンス)を提供できること。ここでも日本の消費者のニーズに対応したローカライゼーションを重視している。

 三つ目は、宿泊施設と消費者の間に旅行需要が生まれる中で、その両者を消費者の行動や嗜好に基づいたマーケティング・インテリジェンス(市場戦略情報)を駆使してマッチングできること。アゴダがグローバルに事業を展開する中で進化させてきたテクノロジーを日本市場でフル活用している。そして業界の回復に貢献できることをうれしく思う。

 ――それらの強みは宿泊施設の収益アップにつながるのか。

 私たちは、パートナーである宿泊施設が予約の増加を促進するための支援に専念しており、その結果が実証されている。アゴダのプラットフォームにパートナーとして宿泊施設を掲載していただくと、東京の下町のホテル、箱根の旅館、沖縄の海の家など、どのような宿泊施設を探している人にも、私たちのリアルタイムのデータとインテリジェンスで、その宿泊施設に最も適したユーザーを発見し、推薦している。したがって閑散期の需要取り込みにも貢献できる。アゴダ独自のAI(人工知能)、アルゴリズムによるマッチングだ。アゴダでは千人以上のエンジニアを雇用し、テクノロジーを絶えず進化させている。マーケティングの最適化を行った結果、日本国内のパートナーの宿泊予約の実績を伸ばすことができた。

 宿泊施設のマーケティングをサポートする取り組みとしては、ご要望に応じてAGP(アゴダ・グロス・プログラム)を提供することもできる。これはアゴダにマーケティング、プロモーションをアウトソースしていただくような取り組みだ。アゴダのサイトはもとより銀行や航空会社などのアフィリエイト・パートナーのサイト、ポータルサイトへの露出を通じて当社の技術を活用し、宿泊施設のマーケティングを行う。アゴダに任せて予約が伸びたという声も頂戴している。

 ――旅行需要はコロナからの回復途上だが、日本市場での事業展望は。

 日本は国内旅行の市場が大きく、インバウンドも急成長を遂げた。アゴダは、コロナ以前から日本に投資しようと動いてきた。ここ2、3年で日本市場にローカライズした機能の提供などを進め、いろいろな態勢が整った。満を持してというわけではないが、ブランドキャンペーンを開始し、テレビCMも投下した。これは日本での存在感と認知度を高めるための、より広範な取り組みの始まりに過ぎない。国内宿泊の取り扱い拡大に加えて、アゴダはもともとアジアで最も認知度が高いOTAなので、インバウンドの個人旅行が解禁になれば、外国人客の送客に大きく貢献できるのは間違いない。日本の宿泊施設の皆さまにアゴダをぜひご活用いただきたい。

大尾嘉氏

△アゴダはお笑いコンビのバナナマンを起用したテレビCMを7月4日から放送している。バナナマンの2人が旅館に宿泊するストーリーを通じ、アゴダをまだ利用したことがない旅行者に「知ってる人は、こっそりトクしてる」と訴求する。関東地区、関西地区で12月31日まで放送予定。

 ◆アゴダ 世界270万軒以上の宿泊施設をはじめ、航空券、アクティビティなどを取り扱うブッキング・ドットコム傘下のオンライン旅行プラットフォーム。ウェブサイト「Agoda.com」とAgodaモバイルアプリは39言語に対応。日本国内の宿泊施設は5万軒以上を掲載している。日本国内6都市に拠点を置き、スタッフ約150人が宿泊施設をサポートしている。

 
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