4月の訪日外客、過去最高の79万人


4月の訪日外客数は、前年同月比25.8%増の78万8千人となり、4月としては過去最高を記録した。日本政府観光局(JNTO)がこのほど推計値として発表した。景気後退や円高による落ち込みからは回復基調が持続し、昨年11月以降、6カ月連続で前年実績を上回っている。市場別では中国の伸び、韓国の大幅な回復が目立った。1〜4月累計では前年同期比28.3%増の280万3千人となった。

 インド、ロシア、マレーシアを加えたビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)重点15市場の4月の実績は、英国、フランス、ドイツを除く12市場で前年同月を超えた。中国、香港、タイ、シンガポール、カナダは4月としての最高記録を更新した。

 韓国は66.9%増の18万9千人と大幅に伸びた。4月としては08年の20万4千人、07年の19万人に次ぐ実績。韓国ウォンは昨年4月以降、1円に対し12〜13ウォン台で推移し、今年4月には11ウォン台となり、円高に伴う負担感も軽減されつつある。今年3月に「ビジット・ジャパン・イヤー2010」事業で展開した新聞や交通機関などへの広告宣伝も奏功したとみられる。

 中国は41.3%増の15万人。前年同月から4万4千人も増加した。VJC事業によるプロモーションなどで桜鑑賞を目的にした訪日旅行の需要も増えたようだ。4月の訪日個人観光査証(ビザ)の発給件数は2801件で、今年1月からの累計は1万715件。

 台湾は20.2%増の11万人。回復基調にあるが、4月としては過去最高だった08年の14万人の水準には達していない。

 香港は3.6%増の4万7千人。4月初旬の復活祭や清明節の大型連休では3月末から旅行に出発する需要が生じたため、4月には反動が出て伸び幅は縮まった。

 前年同月を下回った欧州の3カ国は、いずれもアイスランドの火山噴火による航空便の欠航が影響した。英国が8.9%減の1万8千人、フランスが2.3%減の1万8千人、ドイツが7.7%減の1万人。

 このほか、3月28日の成田空港の発着枠拡大に伴い、エティハド航空(アラブ首長国連邦)、エミレーツ航空(同)、マカオ航空、カタール航空が新規就航し、訪日旅行にプラスになった。

 
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