東急ホテルズ&リゾーツの武井社長(右)とVireoのマッツァーリアCEO(10月22日の会見時)
東急ホテルズ&リゾーツ(武井隆社長)が運営する「THE HOTEL HIGASHIYAMA KYOTO TOKYU(47)A Pan Pacific Hotel」(京都市)は9月25日、持続可能な観光の国際基準「GSTCスタンダード」に基づく第三者認証を取得した。同社運営ホテルでは初。審査はイタリアの認証機関Vireo Srl(ヴィレオ)が実施した。
グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(GSTC)は持続可能な観光の国際基準を策定・管理する非営利団体。GSTCから認定を受けた第三者認証機関が、ホテルなどを審査・認証する。Vireoは約20カ国で250件を超える審査実績があり、国内ではアスコットジャパンの21施設が同機関によるGSTC認証を取得している。
東急ホテルズ&リゾーツは6月10日、国内ホテルチェーンとして初めてGSTCと協力覚書を締結。国際基準をホテル運営、人材育成、サプライチェーンに生かす方針を掲げた。今回の取得は、その方針を現場で具体化した形。
10月22日にホテルに隣接する「地域交流施設 あわた」で開いた会見には武井社長、伴孝之総支配人、Vireoのルイージ・マッツァーリアCEO、審査を担当したディエゴ・デ・サンティス氏らが出席。マッツァーリア氏は世界的観光地である京都での単独施設での認証取得の意義を強調した。サンティス氏は、スタッフがサステナビリティ方針を理解し、日々の行動に反映している点や、宿泊客が使用しなかったアメニティに応じて環境保全活動に寄付する「グリーンコイン制度」の取り組みなどを評価点として説明した。
会見に先立つ本紙の単独取材で武井社長は、ホテル業は環境負荷が高いことから、同社が約20年にわたり環境対策に取り組んできたことを説明。その一方で、国内外で取り組みが十分認知されてこなかった状況に触れ、「サステナビリティへの意識が高まる中で、きちんとした基準を持つパートナーと手を結び、その認証を受けることで、世界中の旅行者に指名されるホテルになると考えている」と狙いを語った。
認証機関にVireoを選んだ理由には、同ホテルがパンパシフィックブランドを冠していることや、東急ホテルズ&リゾーツが3月に国際ホテル連合「グローバル・ホテル・アライアンス(GHA)」に加盟したことを挙げた。東南アジアや欧州での取り組みを強化する上で、Vireoも東南アジアに注力している点を重視したという。初の認証取得ホテルをTHE HOTEL HIGASHIYAMAとした理由としては、訪日客が多い京都という立地と、パンパシフィックブランドの2点を挙げた。
武井社長は、グループ初の認証取得に伴う現場の苦労にも触れ、スタッフや地域、取引先の協力に謝意を示した。その上で「認証取得はゴールでなく、スタートだ。得られた知見をグループ全体の品質向上に生かし、環境への配慮、地域社会との共生、文化の継承を大切にしながら、選ばれるホテルブランドを目指していきたい」と抱負を語った。
【小林茉莉】

東急ホテルズ&リゾーツの武井社長(右)とVireoのマッツァーリアCEO(10月22日の会見時)




