観光庁の木村典央長官
複数社で情報漏えいや閲覧被害
企業を狙った不正アクセスで一部の旅行会社やOTAなどに被害が生じていることを受け、観光庁の木村典央長官は10月21日の定例会見で、原因究明と再発防止に向けた措置への対応、業界全体への注意喚起の周知を行ったことを報告した。今後については状況を注視するとともに、政府全体の方針を踏まえて適切な対応を講じていく考えを示した。
木村長官は会見で、「利用者は、事業者を信頼してパスポートやクレジットカード情報、連絡先などの個人情報を預けている。このような情報漏えい事案は利用者の不安を招くとともに、観光業全般に対する信頼を損ねかねず、早急な対応が必要だ」と指摘。
旅行事業者に対しては、関係法令の順守や個人情報の管理体制・取り扱い状況の点検、再発防止に万全を期すよう通知を発出したほか、宿泊事業者に対しても、内閣官房国家サイバー統括室から発出されたサイバーセキュリティ対策に係る具体的な注意喚起の周知を行ったと報告した。
今回の事象を巡っては、10月7日にエイチ・アイ・エス(HIS)がタイ現地法人で第三者による不正アクセスを受けたと発表。2017年と19~20年、24~25年の期間に、HISでタイに出発した利用者最大627人分のパスポート情報とアレルギー情報が流出した可能性があるとした。
9日には、旅行予約サイト「skyticket(スカイチケット)」を運営するアドベンチャーも同様の被害を受けたと発表。同社サーバー、スカイチケットの業務管理システムへの不正アクセスと、バス予約サービスにおける予約情報の閲覧被害が報告されている。
さらに26日には楽天グループが、「楽天トラベル」の多言語予約サイトと、子会社のRakuten Travel Xchangeが管理・運営する海外ホテル予約サイトの一部のページに対し不正アクセスが確認されたと発表。特に後者では、該当ページから予約した最大約4万件の利用者の氏名、メールアドレス、電話番号、居住国、社内用の識別番号、予約情報(施設名など)と、同伴者の氏名、居住国が対象。うち最大約3万6千件の一部の支払い情報(クレジットカード発行者識別番号と下4桁、名義、有効期限、国際ブランド区分のみ)も含まれている。

観光庁の木村典央長官




