レプラカン歌劇団は10月27日、東京特別公演「能登舞踏絵巻」を東京都港区のアトレ竹芝のSHAKOBAで開催した。11月5日からは台湾の北投温泉博物館、日勝生加賀屋などで8公演を行う。1999年に結成され、今年で27周年を迎えた「レプラカン歌劇団」。かつては和倉温泉加賀屋で「加賀屋レプラカン歌劇団」として華やかな歌と踊りのレビューショーを連日繰り広げていた。能登半島地震後は、「七尾ふるさと大使」としても、日本文化と地域の魅力を国内外に発信している。
公演は昼15時と夜19時の2回で、第1部は15時から15時45分(受付開始14時30分)、第2部は19時から19時45分(受付開始18時30分)。公演後には記念写真を撮影できる企画も用意された。

「祈りと希望を、歌と踊りにのせて」能登の海、雪、白鷲の舞
東京特別公演「能登舞踏絵巻」は、「能登の海、雪、白鷲の舞。祈りと希望を、歌と踊りにのせて」を掲げた新作だ。七尾ふるさと大使のレプラカン歌劇団が、能登・七尾の伝承や文化、風景をモチーフに構成した。和倉温泉の「白鷺伝説」や「花嫁のれん」を織り交ぜ、能登の魅力と未来への希望を歌、舞踊、レビューで届けた。
令和6年能登半島地震からの復興が現在も進行中であることを踏まえ、東京の人々に向けて能登の魅力を綴る公演と位置づけた。会場はアトレ竹芝シアター棟1階のSHAKOBAだ。
開演前には演出映像が流れた。映像では、七尾市の穏やかな七尾湾に能登島大橋が架かり、四季折々の風景が訪れる人々を迎える様子が紹介された。和倉温泉には、一羽の白鷺が傷ついた足を湯で癒したという伝説が残る。
能登に伝わる婚礼文化も取り上げられた。花嫁が幸せを願い、色鮮やかなのれんをくぐる風習「花嫁のれん」だ。能登の大地に響く太鼓の勇壮な響きには、この土地に生きる人々の情熱が込められているという。漆黒の輝きと繊細な技が織りなす輪島塗は、長い年月をかけて磨かれてきた能登が誇る伝統工芸として紹介された。
映像は「震災を乗り越え、未来へ向かって歩み続ける能登」と結ばれ、その風景と文化、人々の希望を歌と踊りで綴る舞踏絵巻の鑑賞を呼びかけた。
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全14演目のプログラム
プログラムは能登を題材にした「能登舞踏絵巻」と、「洋舞レビュー」「日舞レビュー」で構成された全14演目だ。
- 雪の序曲(能登舞踏絵巻):静かに降り積もる雪が語る、能登の物語の始まり
- 舞えよ白鷲(能登舞踏絵巻):能登の海に舞う白鷲に、再生と希望を重ねて
- 白鷲の夢(能登舞踏絵巻):月と海に抱かれた、白鷲のやさしい夢
- 花嫁のれん(能登舞踏絵巻):受け継がれる美しい伝統、花嫁のれんに込めて
- ビーターガン(洋舞レビュー):男役の粋と色気が光る、シャープでダイナミックなダンス
- クールキャット(洋舞レビュー):猫の気まぐれに右往左往するボーイのユーモラスなダンス
- たまゆら(日舞レビュー):花魁の儚い恋を人生に重ね、凛とした美しさと情念を舞う
- 学園メドレー(洋舞レビュー):青春の輝きをダンスで綴る、懐かしく楽しいステージ
- サマードリーム(洋舞レビュー):夏の夢のように、爽やかで優雅なひととき
- フェイク(洋舞レビュー):男役と3人の女性が織りなす、華麗でセクシーな大人のダンス
- 愛の讃歌(洋舞レビュー):愛の魂を歌に込めて
- 能登の鼓動(能登舞踏絵巻):大地に響く鼓動、受け継がれる能登の誇り
- 能登に春(能登舞踏絵巻):やさしい春の光が、ふるさとに笑顔を運ぶ
- 能登で会おうよ(能登舞踏絵巻):またこの場所で、笑顔で会える日を願って
出演は夏輝レオン、ゆふきれい、宮野黎、まいか美帆、美里はる香。
「能登舞踏絵巻」のオリジナル楽曲の作詞・作曲は宗凛が手がけた。洋舞レビューには市販楽曲を使用している。
振付の担当は次の通りだ。
- ゆふきれい:「雪の序曲」「舞えよ白鷲」「能登の鼓動」「能登に春」「花嫁のれん」(出演メンバー振付)「サマードリーム」
- 夏輝レオン:「能登で会おうよ」「学園メドレー」
- 夕浪千鳥:「花嫁のれん」「たまゆら」
- 大谷盛雄:「クールキャット」「フェイク」
▽公演の様子(リール動画)
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「ありがとうから未来へ」台湾公演
公演では、出演者が舞台からあいさつした。夏輝レオン代表は、初めてレプラカンを見る客もいると触れたうえで、震災の経験を振り返った。
「石川県の七尾で出演をしておりまして、その時に地震に遭いました。お稽古中で舞台に立っている時に地震があり、その後さまざまなことを経験して、またこうやって皆様の前でショーをさせていただけることを、本当に幸せに感じながら、毎回ショーをさせていただいております」
11月5日からの台湾公演にも言及した。昨年、台湾から多くの義援金が寄せられたことへの感謝を改めて伝え、「今度はありがとうから未来へ、ということで友情をまた深めたい」と語った。
そのうえで、七尾の伝統文化を多くの人に伝えたいとの思いから、七尾にまつわる花嫁のれん、御陣乗太鼓、白鷺伝説を歌と踊りで一から作り上げたと説明した。「七尾の素晴らしさ、石川県の素晴らしさ、日本の素晴らしさを伝えて公演してまいります」と述べた。
台湾公演は11月5日から8日まで

夏輝レオン代表(左)とゆふきれい座長(右)

台湾公演の日程は、11月5日(木)から8日(日)まで。北投温泉博物館、日勝生加賀屋、七星公園(湯守観音祭)で合計8公演を行う。初日の11月5日(木)には記念会見も予定されている。
実は昨年11月にも、台湾北投温泉で「謝謝!台湾 加賀屋レプラカン歌劇団 特別公演」を4日間開催した。加賀屋、アサヒビール、JTBの3社が協業し、能登半島地震の直後にいち早く支援を寄せた台湾への感謝を直接伝える公演だった。
会場は日勝生加賀屋と北投温泉博物館の2カ所で、湯守観音祭のオープニングとエンディングでも公演した。入場料は無料で、4泊5日の期間中に計8回を実施し、来場者は約1,000人に上った。雨が降り出した夜も、観客は傘を差しながら最後まで鑑賞し、携帯電話のライトでスポットライトのように照らす場面もあった。夏輝は「感動的なシーンでした」と振り返っている。
結成27年の歩み
レプラカン歌劇団は1999年の結成だ。団名は、代表の夏輝レオンと座長のゆふきれいの頭文字「R」に由来する。「レプラカン」は宝物をたくさん持った妖精で、捕まえると宝物のありかを教えてくれるという。ゆふは「私たちのショーを見て私たちを捕まえたら、楽しいことやあなたにとっての宝物をあげる、という感じでショーを作っていこうと思いました」と振り返る。
ゆふきれい座長はOSK日本歌劇団の出身で、ミュージカル出身の夏輝と出会い、2人でチームを組んだ。レパートリーは日本舞踊から民謡、ラテン、ジャズ、シャンソン、ミュージカルナンバーまで幅広い。
2003年には、和倉温泉の老舗旅館「加賀屋」の歌劇団立ち上げにトップとして関わった。コロナ禍を機に再びつながりが深まり、加賀屋のシアタークラブ「花吹雪」で常設公演を行っていたが、令和6年能登半島地震で公演機会が失われた。
その後、加賀屋、アサヒビール、JTBの3社が協業し、2024年10月から12月に、東京都港区のアトレ竹芝1階「SHAKOBA」で全12回の特別公演を開催した。チケットは北陸復興支援特別価格の4,000円(税込)だった。2025年3月にはアンコール公演(全6回)、同年6月には「サマードリーム」と題した公演も行った。東京での復興公演は、丸ビルでの公演を含め約30回に及んだ。
2025年のゴールデンウィークには、チャータークルーズ「旅物語」の一環でコスタセレーナに乗船し、約1週間にわたり公演した。
昨年7月27日には、七尾市からふるさと大使に任命された。道の駅「食祭市場」のステージで、年に3回程度の公演を続けている。
インバウンド向けの新たな取り組み
8月21日からは、千葉県松戸市の本土寺で、主にインバウンド客向けのショー「日本文化体験 侍&花魁(JAPANESE CULTURAL EXPERIENCE SAMURAI & OIRAN)」を始めた。「助六と揚巻」の物語を軸に、日本舞踊のショーと、観客が助六役と花魁役を演じる体験を組み合わせた内容だ。
2026年の公演日程は、9月10日・11日・18日、10月15日・16日、11月14日、12月18日を予定している。
チームの編成はおよそ10名で、仕事の内容によってメンバーを入れ替えている。理念は「お客様に夢と希望を提供する」。


【kankokeizai.com 編集長 江口英一】






