竹内氏
今回のソウル旅で、ひと際楽しみにしていたのが「ケジャン」だ。韓国語で「ケ」は「カニ」、「ジャン」は「醤」と書き「醤油(しょうゆ)・味噌(みそ)」を指す。つまり、生のワタリガニをタレに漬けたモノ。専門店もある人気料理だ。醤油ベースのタレに漬けた「カンジャンケジャン」とコチュジャンベースの真っ赤な味噌に漬けた「ヤンニョムケジャン」がある。
ソウルで必ず行っていたのが、東京赤坂にも支店がある有名店「プロカンジャンケジャン」。だが今回はイマドキはやりの店「オダリチプ」を訪れることに。ソウル市内に4店舗あるうち、「サボイホテル店」へ。宿泊先から予約していただいたのですんなり入店できたが、200席もあるというのに大行列の人気ぶりだ。
生のカニを食すのだから質が重要だが、同店では特A級延坪島(ヨンピョンド)産の新鮮な雌の活カニを使用。また、「醤」にもこだわりが。高麗人参など10種類以上の韓方(ハンバン)の材料と海草や果物を入れ、24時間煮詰めた秘伝のタレに、カニを3日間漬け低温熟成させるそう。
せっかくなので、他店にはないLサイズを注文。同店では、カンジャンケジャンにいろいろなおかずが付いてくる。まず運ばれて来たのが、ナムルやキムチなどが入った小皿が、何と12皿!そしてレタスのサラダ、韓国のり、とびこご飯であっと言う間にテーブルが一杯に。そこにメインのカンジャンケジャンが!うぉ~っ、サスガLサイズ、大迫力。その上サービスでカンジャンセウ(生エビの醤油漬け)とチャプチェ(春雨炒め)、ケランチム(韓国風茶碗蒸し)、キムチチゲ、小さい冷麺まで出てきてビックリ! でもうれしい♪追加注文した韓牛(ハヌ)のユッケもかなりビッグサイズ。もう一つ追加したヤンニョムケジャンは4人で1.5人前にしておいて大正解。
さて、お味は…?まずは主役のカンジャンケジャン。サイズが大きいから、あのオレンジ色の内子とカニミソもタップリ!濃厚なうまみと甘み、クリーミーでトロリとした食感が、もうたまらん♪身も生ならではの甘みが。韓国では「パットドゥッ(ご飯泥棒)」と呼ばれ、甲羅にご飯を入れて内子やミソ、タレと混ぜて食べれば、口福♪
ヤンニョムケジャンは、1990年代に登場した後発ながら、人気を博したため呼び名を変えたのだとか。真っ赤な見た目ほど辛くはなく、むしろカニの甘みが引き出されていて、これまた絶品!どうやって食べるかって?モチロン、どちらのケジャンもビニール手袋をつけて、ワシワシと手づかみでいただくのだ!止まらないおいしさ♪
ユッケやケランチムなど、他の料理も美味だったのは推して知るべし。カニの生食を心配される方も多いと思うが、寄生虫や細菌のリスクを避けるため、いったん凍らせてから適切な下処理をしているので安全だという。沿岸部ではカニが入手しやすく、各家庭に醤油があったため、1600年代から食されていた韓国伝統料理、カンジャンケジャン。また食べたいっ!
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。




