絶好の秋晴れに恵まれた10月3連休、「令和8年度東京都観光経営人材育成講座」のフィールドワーク「みちのく潮風トレイルネイチャー体験」を実施した。
東日本大震災からの復興に環境省が整備した全長1025キロのロングトレイルは、特に欧米豪からの人気が高い。今回は、「三陸DMOセンター」の観光プロデューサー・服部真理さんと一緒に、岩手三陸のトレイル体験を盛り込んだ2泊3日の特別プログラムを、盛岡発着で用意した。
初日は、普代村観光協会の森田陽(よう)さんが、ご当地キャラクター「昆布ブラザーズ」のかぶりもの姿で私たちをお出迎え。奇跡の水門と呼ばれる「普代水門」では紙芝居風に、トレイルを進んで「黒崎展望台」では断崖絶壁の大パノラマを堪能した。マジックアワーの日没前、海にせり出す山々をシルエットに朱色のグラデーションが広がって、息をのむほど美しい。
この日は「ホテル羅賀荘」に投宿した。夕食でアワビの踊り食いを堪能しつつ、「NPO法人体験村・たのはたネットワーク」の楠田(くすだ)拓郎理事長をお招きして、事前説明をいただき翌日に備えた。
2日目、名所・北山崎をめざした。果てしなく蒼い海に、激しく打ち寄せる白い高波。「北山浜」の海岸では、波のしぶきを浴びながらシャケ弁当をほおばった。食後は、コースの目玉”手掘りトンネル”へ、楠田理事長の名ガイドぶりが好評だった。
この日は、大槌町まで南下して「三陸花ホテルはまぎく」にチェックイン。立花和夫総支配人が、いつもの笑顔で私たちを出迎えてくれた。「テントサウナ」で汗を流した後、シャキッとした状態で今回のメインとなる座学講義をホテル会議室で受けてもらう。
講師は、県庁の空港課や観光課での職務経験も豊富な「三陸DMOセンター」中嶋英俊センター長にお願いした。トレイルを核とした三陸の観光地域づくりをテーマに、「バックパッカーの貧乏旅とは違い、トレイルを歩く外国人ハイカーは”心と財布”に余裕がある。日本の人たちにもトレイル文化をより理解して来訪いただきたい」と語られた。ハイカーの実態調査や分析は、実に示唆に富むものだった。
さて、最終日は「NPO法人吉里吉里国(きりきりこく)」の松永いづみ理事長を訪ねて、青空のもとレクチャーいただいた。震災時、青年海外協力隊で在アフリカだった彼女は、復興にたずさわるために帰国して被災地入りした異色の経歴だ。今は林業NPOの理事長として、森の大切さを伝道する。今年4月に発生した「大槌山林火災」の延焼当時の切迫した状況を語ってくれ、真に迫った。
さて、この日のクライマックスは、宮古市の名勝「浄土ヶ浜」での散策トレイル体験を。「浄土ヶ浜ビジターセンター」の佐々木洋介事務局長にガイディングしてもらい、これまた大好評だった。来訪者をみると、確かに外国人だらけ。宮古港に停泊する大型クルーズ客船「シーボーン・アンコール」のエクスカーションで、続々と外国人がやってくる。「浄土ヶ浜レストハウス」で名物”ぶっかけ瓶ドン”を食して、人生初のトレイル旅を締めくくった。
大成功の3日間でした。現地関係者の皆さま、ご協力を誠にありがとうございました。
(観光ジャーナリスト・淑徳大学経営学部観光経営学科教授 千葉千枝子)




