竹内氏
今、ソウルで食のトレンドの一つといわれているのが「ミナリ」。さまざまなブームを巻き起こしてきた韓国料理、昨年ブレイクしたのは釜山(プサン)発祥の鍋料理「ナッコプセ」だ。メインの具材ナクチ(手長ダコ)・コプチャン(牛ホルモン)・セウ(エビ)の頭文字から名付けられた。今や定番なのが、豚の焼肉「サムギョプサル」。やはりメインのサム(三)・ギョプ(層)・サル(肉)、つまり豚バラ肉を意味する。じゃあミナリって? 日本では、春の七草としておなじみの「セリ」のことだ。
ミナリブームのキッカケは、サムギョプサルだとか。ミナリとともに豚バラ肉を焼いたり、生のミナリで焼いた豚バラ肉を巻いたり、提供の仕方は店によるが、「ミナリサムギョプサル」というメニューとして人気。ミナリの爽やかな香りが、豚肉の脂っぽさを和らげ、サッパリいただける。
ミナリはもはや一過性のブーム期を過ぎた模様。今ではいろいろなミナリ料理が楽しめる。今回は常に行列のできる人気店で堪能させていただいたので、ご報告!
訪ねたのは「陵洞(ヌンドン)ミナリ 新(シン)龍(ヨン)山(サン)店」。ソウル市内に数店舗ありコチラが本店。『ミシュランガイド』ビブグルマンで「並ぶ価値がある」と紹介されている。流行のスポット聖(ソン)水(ス)店には、日本の国民的アイドルグループSnow Manのメンバーが訪れて話題になった。
卓上の大きな容器には、大根のキムチが大きな輪切り状態で入っており、ハサミで切っていただく。ここでまず、行列にナットクのうまさ。人気メニューの「ミナリユッケビビンバ」は、ご飯が見えないくらいミナリに覆われ、その上にまん丸にまとめられたユッケが載っている。全部混ぜまぜし、タレをかけて食すのだが、生ミナリの甘味と苦味、タレの絶妙なうま味と辛味、生の牛肉のうま味と甘味が混ざり合い、とろ~りシャッキリ、もうたまらん♪
もう一つの看板料理が「ミナリコムタン」。小口切りのミナリでぎっしり埋め尽くされたスープのビジュアルのインパクトに圧倒される。スプーンを入れてみると、薄切りの牛肉とご飯が。韓(ハ)牛(ヌ)でダシを取ったという、澄んでいるのに濃厚なスープが、シャキシャキなミナリの清涼感でサッパリ。牛肉も軟らか、スープを吸ったご飯も超ベリウマ♪これぞ口福!
「牛肉のチヂミ」も、期待以上の美味!チヂミで肉を挟んだようになっていて、どこをかじっても肉が入っている。タレも酸味のバランスが良い。生ミナリもたくさん添えられていた。最後の一品は「ミナリ牛テールの蒸し物」。骨の周りについた肉に手づかみでかぶりつけば、その甘ウマさに驚く。軟らかしっとり!上に山ほど盛られ、半生に蒸されたミナリも、テールスープの味をまとって絶品♪
日本のセリの方が繊細な味わいだが、韓国のミナリは茎が太いのに軟らかく食べやすい。それに、通年楽しめるのはうらやましい。名産地の清(チョン)道(ド)が、ソウルに直送可能な位置にあるのも大きい。いろんなミナリが食べられて、超絶感激だった。
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。




