私の視点 観光羅針盤
アゴダが発表した2026年上半期の予約データに基づく「リピーターランキング」で、福岡が初めてアジアのトップ10に入った。8位という順位以上に注目したいのは、東京・京都・大阪を中心とする定番ルートの外から選ばれたことだ。東京も前年首位のバンコクを抜いて初の1位となり、大阪は5位を維持した。
トップ10は東京(前年2位)、バンコク(1位)、バリ島(4位)、ソウル(3位)、大阪(5位)、ダナン(8位)、クアラルンプール(7位)、福岡(圏外)、台北(6位)、ジョホールバル(9位)の順。日本の3都市の顔ぶれにも、再訪の形の違いが表れている。
この順位は、アジア太平洋地域の消費者を主な顧客基盤とするアゴダを通じた予約の動きであり、都市全体の再訪率ではない。出発地別の内訳も示されていない。その上で、札幌ではなく、福岡が入ったことは興味深い。アジアの近隣市場から、再訪しやすい都市が支持された可能性も考えられる。
バンコクには食や街の活気、ウェルネス、寺院など、再訪に値する魅力がある。東京が上回った要因は特定できないが、私は「訪れるたびに違う旅ができる」点に注目する。季節で景色が変わり、街ごとに表情も違う。なじみの店に戻る楽しみと、新たな発見が共存する。円安による割安感も訪日を後押しする一要素だろう。ただ、次の旅を決めるのは、まだ体験したいことがあるという期待ではないか。
会員向け記事です。





