私の視点 観光羅針盤
米国とイスラエルが仕掛けたイラン戦争の長期化で世界のエネルギー情勢に激震が走っており、エネルギー資源の乏しい日本は極めて厳しい状況に追い込まれている。そのため米国の国際政治学者Z・ブレジンスキーが1972年に著した『ひよわな花・日本:日本大国論批判』(原題はThe Fragile Blossom)が再評価されている。
ブレジンスキーは28年ポーランド生まれ、ドイツによる侵略やソ連台頭などを経験し、カナダや米国で国際政治学を学び、コロンビア大学教授に就任。71年に日本に半年在住して調査分析を行い、その成果を72年に出版。経済大国として急浮上した日本の構造的弱点(資源・エネルギー不足、米国依存・追随)を明らかにし、世界をリードし難い「ひよわさ」を指摘した。
とはいえ72年に限定しても、日本は2月に札幌冬季五輪を開催、5月には米国からの沖縄施政権返還を実現、7月に成立した田中角栄政権は9月に日中国交正常化を実現し、田中首相提唱の日本列島改造論で地方発展のために各種施策が講じられ、決して「ひよわな日本」ではなかった。
ところが、73年の第4次中東戦争を契機にして第1次オイルショックが発生し、日本は戦後初のマイナス成長を記録して、高度経済成長に終止符が打たれた。まさにブレジンスキーの予測の通りに日本のひよわな構造的弱点が明瞭になった。
会員向け記事です。





