前回コラムでは、相続税の納税資金を生前に用意する方法を述べた。今回コラムでは、財産を守る器としての持ち株会社化(ホールディングス化)と、第三者への売却を取り上げたい。
持ち株会社化とは、後継者が会社を新設してオーナーから宿の会社の株を買い取る、あるいは宿を運営・保有する会社の上に親会社を設立し、株を直接ではなくその会社を通じて所有する形にすることである。相続税を引き下げる目的で使われることが多い。その後に宿の業績が伸びて株の評価額が上がっても、親会社の株を評価する際には値上がり分の37%を法人税相当として差し引けるため、相続税を抑えることができる。
もう一つの使い道は、財産を守りながら複数の子に承継することである。宿の会社の株を親会社にまとめ、親会社の株を子どもたちで分ければ、財産としての持ち分は公平に分けながら、宿の経営権は親会社を通じて一本にまとめることができる。施設が複数あるなら、会社を分けて施設ごとに子へ継がせ、その上に親会社を置く形もとれる。以前のコラムで述べた種類株と組み合わせれば、相続のたびに株が分散する事態を防ぎながら、遺産分割と経営権の集中を同時に設計できる。
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