前回コラムでは、株を渡しても経営権を手放さずに済む種類株の活用方法について述べた。今回コラムでは、自社株と並ぶ資産である旅館・ホテルの土地・建物の承継を取り上げたい。
宿の不動産は、土地・建物とも個人名義、土地建物とも会社名義、土地だけ個人名義という三つの形に大きく分かれる。創業や建て替え時の資金調達の経緯で自然に決まったもので、土地は先代の個人名義のままという宿が多い。名義を意識するのは承継のときである。個人名義のまま相続するか、会社名義に相続発生前に変更するか、判断する機会が生まれる。
個人のまま引き継ぐ利点は、承継の負担が軽いことである。相続による名義変更には不動産取得税がかからず、登記の税負担も売買よりはるかに小さい。同族会社に適正な地代で貸している土地なら、小規模宅地等の特例により400平方メートル、約120坪まで評価額を8割減らせる。
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