ブッキング・ドットコム・ジャパン株式会社は2026年7月22日、鹿児島県奄美市のアマホームPLAZA(奄美市市民交流センター)で「Traveller Review Awards 2026」の表彰式を開催した。
今年で14回目を迎える同アワードで、奄美市は「日本で最も居心地の良い都市」10選に2年連続で選出。豊かな自然環境と地域コミュニティによる温かいおもてなしが、世界の旅行者から高く評価された結果だ。
表彰式には、ブッキング・ドットコム日本代表のLuiz Rodrigues(ルイス・ロドリゲス)氏をはじめ、奄美市の安田壮平市長、伝泊/奄美イノベーション株式会社代表取締役社長の山下保博氏が登壇。受賞の背景と奄美観光の今後の展望を語った。

3億7,000万件超のクチコミが選んだ「本物の評価」
「Traveller Review Awards」は、世界中の旅行者から寄せられた3億7,000万件を超えるクチコミをもとに、卓越したホスピタリティを一貫して提供しているパートナー施設やレンタカー会社などを表彰するものだ。
「日本で最も居心地の良い都市」10選は、2026年に同アワードを受賞した宿泊施設の割合に基づいて選出される。対象となるためには、宿泊施設が50軒以上ある都市であることが前提条件となっている。
受賞条件は厳格だ。宿泊施設であれば、2025年11月30日23時59分(中央ヨーロッパ標準時)時点で3件以上のクチコミに基づく平均クチコミスコアが8.0点以上(10点満点)であることが求められる。レンタカー会社は10件以上のクチコミで平均8.0点以上、タクシー会社は2,000回の乗車完了かつ平均クチコミスコア4.6点以上(5点満点)が条件だ。
クチコミを投稿できるのは、実際にブッキング・ドットコムのプラットフォームで予約・利用したユーザーのみ。クチコミが編集・調整されることはなく、すべて実際の体験に基づく記述だ。

登壇したルイス・ロドリゲス日本代表は、同アワードの意義をこう語った。
「『Traveller Review Awards』は、当社によるマーケティング的施策ではなく、全世界3億7,000万件以上の旅行者のレビューに基づく客観的な評価です。その中で奄美市が『日本で最も居心地の良い都市』の一つに選ばれたことは、大変意義深いことです」
さらに、近年の旅行者動向についても言及した。
「近年、東京や大阪などのゴールデンルートだけでなく、地方都市への関心が世界的に高まっています。欧米や台湾など多様な国の旅行者が、奄美でしか味わえないオーセンティックな体験や文化に強い関心を寄せています。奄美の強みは豊かな自然だけではありません。地域コミュニティの温かい『おもてなし』こそが、世界の旅行者の心をつかんでいるのです」
2026年「日本で最も居心地の良い都市」10選
2026年の「日本で最も居心地の良い都市」10選に選ばれたのは以下の10都市だ。
- 高山市(岐阜県)
- 奄美市(鹿児島県)
- 由布市(大分県)
- 屋久島(鹿児島県)
- 読谷村(沖縄県)
- 野沢温泉村(長野県)
- 富士吉田市(山梨県)
- 北谷町(沖縄県)
- 富士河口湖町(山梨県)
- ニセコ町(北海道)
10選には今年「世界で最も居心地の良い都市」10選にも選ばれた岐阜県高山市をはじめ、多くの地方都市が名を連ねた。
選出された都市の多くは、従来の主要観光地ではなく、地方の温泉地や自然豊かな地域だ。世界自然遺産に登録されている鹿児島県の屋久島や奄美市、日本有数の温泉地である長野県野沢温泉村や大分県由布市は、昨年に続いて今年も選出された。
国内外の旅行者の間で、本物の体験や地域との出会いを求める旅行スタイルへの関心が高まっていることを示す結果となった。
「一過性のブームではなく、世界に通用するブランド」 奄美市長が受賞の意義を強調

登壇した奄美市の安田壮平市長は、今回の2年連続受賞をこう受け止めた。
「この度の受賞は、日々旅行者と向き合ってこられた奄美市内の宿泊施設の皆様のホスピタリティの賜物であり、心より感謝申し上げます。奄美の固有の自然や文化が、一過性のブームではなく、世界に通用するブランドとして定着したことの証だと受け止めています」
持続可能な観光地域づくりへの取り組みについても語った。
「奄美市は世界自然遺産登録を経て、自然環境の保全と観光振興の両立に取り組んでまいりました。今後も持続可能な観光都市を目指すとともに、夏は避暑地として、冬は避寒地・花粉の少ない地として、一年を通じた奄美の魅力を国内外に発信してまいります」
「宿泊事業を『まちづくり』として始めた」 750年前から続く「結い」の文化

伝泊/奄美イノベーション株式会社代表取締役社長の山下保博氏は、宿泊事業の出発点と奄美の独自性を語った。
「私たちは10年前から、宿泊事業を『まちづくり』として始めました。現在、ブッキング・ドットコム経由のご予約の約4割は欧米豪をはじめとする海外のお客様です」
奄美固有の文化が世界からの評価を支えているとも指摘した。
「奄美には750年前から続く360の集落があり、『結い(助け合い)』の文化が今も根強く残っています。私たちの事業は、この文化を次の世代へ継続していくためのまちづくりでもあります。島民が日常的に旅行者に声をかけるようなフレンドリーさ、暮らしの中にある自然体のおもてなしこそが、世界からの高い評価につながっていると感じています」
「消費型」から「体験型」へ 旅行の潮流と奄美の強みを議論

表彰式後の質疑応答・トークセッションでは、奄美大島観光協会会長/株式会社大島紬村代表取締役社長の越間得晴氏、DMO/(一社)あまみ大島観光物産連盟会長の有村修一氏も加わり、旅行の潮流が「消費型」から「体験型」へと移り変わる中での奄美の強みが話題となった。
登壇者からは、地域コミュニティとつながり、現地の暮らしをそのまま体験できる「自然体なおもてなし」こそが世界の旅行者に評価されているとの見解が示された。
また、人口減少が進む地域の課題にも議論が及んだ。豊かな自然の保全を大前提としながら、集落に息づく文化を次世代へ継承するための教育や、旅行者を受け入れるインフラ整備の重要性についても語られ、持続可能な観光地域づくりに向けた官民連携の意義が確認された。
世界自然遺産に登録された奄美大島では、欧米や台湾をはじめとする多様な国・地域の旅行者が、手つかずの自然に加え、集落に根づく文化や人々との交流といった「オーセンティック(本物)な体験」を求めて訪れており、体験型・滞在型の旅行スタイルへの潮流を象徴する存在となっている。




