東海汽船の航路
国土交通省関東運輸局は8月28日、東海汽船に対し、海上運送法に基づく「安全統括管理者と運航管理者の解任命令」と「輸送の安全確保に関する命令」を発出した。併せて、船員法に基づく「是正命令」を出した。東海汽船は東京と伊豆諸島を結ぶ航路をジェット船や大型貨客船「橘丸」「さるびあ丸」で運航している。
同局が海上運送法と船員法に基づき東海汽船に立入検査を実施したところ、酒気帯び状態での航海当直のほか、アルコール検査記録や発航前検査記録の不実記載などを確認。同社が海上運送法に基づき定めた安全管理規程が遵守されておらず、船員法が定める発航前検査などに関する規定についても遵守されていないことが確認された。
このため関東運輸局長は同日付で、海上運送法第10条の8に基づく「安全統括管理者及び運航管理者の解任命令」を出し、安全統括管理者の執行役員運航本部長の川崎真也氏と、運航管理者の久保田正明氏の9月28日までの解任を求めた。また、同法第19条第2項に基づく「輸送の安全の確保に関する命令」を発出し、9月28日までに結果を文書で報告するよう求めた。
命令の原因となった事実として、社長自ら大型船内における元日飲酒の慣行を認知していながら、適切な措置をとっていなかったことが挙げられている。また、「さるびあ丸」では2025年12月24日、式根島―神津島間を舷門を閉鎖せずに運航する2度目のインシデントが発生。問題が顕在化するまで、大型貨客船では乗降用設備(タラップ)が架かったまま発航前検査を終え、舷門を閉鎖しないまま出航することが常態化していた。このほか、アルコール検査体制が形骸化し、替え玉受検が行われていたことなどの違反が確認された。
航路別の違反点数は、東京〜大島〜神津島航路が96点、東京〜八丈島航路が92点、熱海〜大島航路が38点。
さらに、船員法第101条第1項に基づく「是正命令」を発出し、法令順守のための全社的かつ抜本的な改善策を講じるとともに、9月28日までに改善策を報告するよう求めた。
国交省では今後、東海汽船が安全管理体制の抜本的な再構築を含む再発防止策を早急に講じるよう、引き続き、厳格に指導監督を行っていくとしている。

東海汽船の航路




