ハラール自販機は食の多様性の新たな切り札
今回は、最近取り組み始めた新たなムスリム対応のカタチについてお話しさせていただきます。
日本の観光の玄関口である羽田空港の昨年度(2025年度)の年間国際線旅客数は過去最高を更新する約2525万人でした。そのうちムスリム旅客数は正確なデータこそありませんが、推計で年間約30万から50万人規模と考えられます。
このような状況下、同空港の各ターミナルには礼拝室が設置され、一般エリアには「帆のる ぷれみあ Air HANEDA」やテイクアウトの「けばぶ工房」など、ハラール対応・ムスリムフレンドリーの食事を提供する飲食店が整備され、安心して過ごせる環境が整い始めていました。
しかし、セキュリティゲート通過後の制限エリア(出国後)になると、礼拝スペースはあるものの食事を提供する店がないという現状がありました。空港の利用者向けアンケートでは、このエリアでの食事がないことに対し、多くのムスリム旅客やヴィーガン、ベジタリアンの旅客から多くの不満の声が寄せられていたのです。
解決策としてテナントに食の対応を依頼するのも、そう簡単には進みません。そこで、羽田空港を運営する日本空港ビルデング子会社のビッグウイングと、やまやコミュニケーションズより、ハラール食品の自動販売機を設置したいと当協議会に相談がありました。
これを受け、当協議会の会員企業である常盤堂雷おこし本舗や、台東区の認証補助金事業者である王様製菓の商品を採用し、ハラール認証マークロゴを自販機にラッピングするための許諾調整などをお手伝いしました。
制限エリアでの軽食やお土産など、本当に売れるのかという実験的な試みでしたが、第一、第二、第三ターミナルに1台ずつ導入した結果、非常に好調な売れ行きを見せています。売上金額は非公表ですがそれなりの結果が出ており、深夜便明けに一般の自販機が空になるのと同様に売れています。
この結果は、レストラン不足や軽食確保、お土産販売のハードルに悩む多くの観光地に対し、自販機1台による新たな受け入れのカタチを示しています。国内の空港や駅、観光地、商業施設などで礼拝スペースと連動した誘客も可能です。羽田ではヴィーガン向け企画も進んでおり、食の多様性対応の新たな切り札といえます。
(メイドインジャパン・ハラール支援協議会理事長)

ハラール自販機は食の多様性の新たな切り札




