Uber Japan株式会社は8月13日、2026年後半に東京で予定しているロボタクシー(自動運転タクシー)の試験運行において、運行パートナーとして日の丸交通株式会社と運行パートナーシップ契約を締結したと発表した。Wayveの AI Driverを搭載した日産リーフを車両として導入し、Uberの配車アプリを通じて乗車サービスを提供する。
この試験運行は、2026年3月12日にUber Technologies、Wayve、日産自動車の3社が締結した、日本におけるロボタクシーパートナーシップに関する覚書に基づくものだ。
日の丸交通が運行主体、車両管理からメンテナンスまで担う

日の丸交通は、運行主体として車両の運行管理、車両基地(デポ)でのオペレーション、車両のメンテナンス、点検、清掃、充電、および車両の稼働状況の管理を担う。
一方、UberはマッチングプラットフォームおよびUberの世界中で利用されている配車アプリと運行支援ツールを提供し、顧客へのシームレスな乗車サービス提供を支える役割を担う。
日本の法令においては、ロボタクシーの運行は旅客運送サービスの認可を受けたタクシー事業者が行う必要がある。本試験運行は国内の法規制や許認可要件に準拠して設計されており、Uberがマッチングプラットフォームや運行支援ツールを提供し、日の丸交通が認可を受けた運行主体として実際の運行管理を担当する体制となっている。
初期段階はセーフティドライバーが同乗、安全を最優先に
将来的な完全無人運転の開始に向けた段階的な導入の一環として、本運行の初期段階では、安全を最優先とし、東京の交通事情を熟知した日の丸交通の乗務員が「セーフティドライバー」として同乗し、安全を確保する。
3社の覚書の概要は以下の通りだ。
- 車両:Wayveの AI Driverを搭載した日産リーフ
- サービス提供:Uberの配車アプリを通じた乗車サービス
- 運行主体:日の丸交通株式会社
- 運行開始予定:2026年後半、東京
「世界で最も複雑な道路環境」、Uber幹部が日の丸交通の経験を評価
Uber 自律型モビリティ・デリバリー部門 グローバル責任者のサーフラズ・マレディア氏は次のようにコメントした。
「東京での試験運行を確実な実現に向け、深い信頼を寄せる日の丸交通と、運行に関するパートナーシップを締結できたことを大変嬉しく思います。日本の首都である東京は、世界で最も複雑な道路環境を有しています。本取り組みの成功には、日の丸交通が長年培ってきた豊富な運行経験と高い安全基準に加え、日産の優れた車両技術、そしてWayveの先進的なAIテクノロジーが不可欠です。私たちは引き続き、関係省庁やパートナーの皆様と緊密に連携し、日本のお客さまに安全でシームレスな未来の移動の選択肢を、責任を持ってお届けしてまいります。」
「ドライバー不足という社会課題に対応」、日の丸交通社長がコメント
日の丸交通株式会社 代表取締役社長の富田和孝氏は、参画への思いと今後の方針について以下のように述べた。
「Uberをはじめとする関係各社とともに、ロボタクシーの実用化に向けた新たな挑戦に参画できることを、大変光栄に思います。私たちは、長年培ってきた安全管理や運行ノウハウを最大限に活かし、有人タクシーとロボタクシーがそれぞれの強みを発揮できる運行体制の構築を目指します。深刻なドライバー不足という社会課題に対応しながら、人とテクノロジーが互いの強みを活かし合うことで、誰もが安心して利用できる、持続可能なモビリティサービスを実現に取り組んでまいります。」
Uber、Wayve、日産の3社体制
本取り組みの背景となる3社の役割は明確に分担されている。
Uber Technologies(本社:米国サンフランシスコ、CEO:ダラ コスロシャヒ)は、世界70カ国以上・15,000都市以上で展開するプラットフォームを持つテクノロジー企業だ。「どうすればボタンひとつで車を呼べるか?」というシンプルな疑問から2010年に米国サンフランシスコでサービスをスタートし、現在は人の移動だけでなく、食材、料理、日用品などのデリバリーも含めたあらゆる人・モノの移動を担うプラットフォームを約50言語で提供している。
Wayve(本社:英国ロンドン市、CEO:アレックス ケンダル)は、今回のロボタクシーに搭載されるAI Driverを開発した企業だ。そのAI技術が、東京という世界有数の複雑な交通環境での自動運転を支える。
日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:イヴァン エスピノーサ)は、ロボタクシーの車両となる日産リーフを提供する。電気自動車である日産リーフを採用することで、環境負荷の低い次世代モビリティの実現を目指す。
Uber Japanの国内展開
Uber Japan株式会社は、国内約1,000社のタクシー会社と提携し、47都道府県でタクシーの配車が可能な「Uber Taxi」を運営している。
また、札幌市・東京23区・大阪市・京都市など9都道府県では、プレミアムなハイヤー車両や最大5名乗りのワゴンを配車できる「Uberプレミアム」のサービスを提供している。
さらに、京都府京丹後市、石川県加賀市、長野県野沢温泉村、大分県別府市では自治体とのパートナーシップによる自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)を、2024年4月からはタクシー会社とのパートナーシップによる自家用車活用事業(日本版ライドシェア)のサービス提供をサポートしている。
今回の東京でのロボタクシー試験運行は、こうした国内展開の延長線上に位置づけられる取り組みで、Uber、Wayve、日産、そして日の丸交通という4者が連携した、日本における自動運転タクシーの実用化に向けた大きな一歩となる。




