鳥海氏
夏休みに入り、東京駅を発着する新幹線では子ども連れの利用が増え、車内やホームの混雑が目立っている。特に東海道新幹線では、お盆期間の8月7日~16日に加え、9月18日~23日のシルバーウイーク、10月10日~12日のスポーツの日の3連休、さらに11月21日~23日の勤労感謝の日の3連休も「のぞみ」が全車指定席で運転される。こうした繁忙期は特に指定席が早く埋まり、「ひかり」の自由席も大混雑で、「のぞみ」のデッキなど、やむを得ず立席で移動する利用者も少なくない。
そんな混雑時だからこそ検討してみたいのがグリーン車の利用である。グリーン車は座席が広く、足元にも余裕があることはもちろんであるが、本当の魅力は混雑時における快適さにある。普通車では通路やデッキに立っている乗客が多くなることで車両全体が窮屈に感じることもあるが、グリーン車は立席利用が認められておらず、グリーン券を持っていない人はデッキを含めてグリーン車エリアに立ち入ることができない。そのため車内は落ち着いた雰囲気が保たれ、途中駅であっても乗り降りもスムーズだ。
また、繁忙期以外でもグリーン車にはメリットがある。比較的空いている日は、普通車よりも隣席が埋まりにくく、1人で利用する場合には隣が空いていることが多く、ゆったり過ごせる可能性が高い。私自身も、新幹線での移動は隣に人がいるかどうかで快適さが大きく変わると感じている。
一方で、指定席や自由席に空席が多いのであれば、あえてグリーン車を利用しなくても十分快適に移動できると思っており、そのため、混雑状況に応じて普通車とグリーン車を使い分ける人も多い。グリーン車の両数は、東海道・山陽新幹線では3両、それ以外の多くの新幹線では1両となっている。
また東北・北海道新幹線「はやぶさ」や北陸新幹線、上越新幹線では最上位クラス「グランクラス」も設定されている。インターネット予約や指定席券売機では空席状況をシートマップとともに確認できるため、予約前に混雑具合を見ながら判断可能で、普通車が満席でも、グリーン車には空席がある場合も多い。
もちろん、グリーン車利用には運賃・特急券に加えてグリーン料金が必要になる。しかし、移動ストレスを考えれば、繁忙期だけは少しぜいたくをして快適さを優先するという選択も十分価値がある。夏休みや大型連休の新幹線利用では、移動時間そのものを快適に過ごすための選択肢として、グリーン車を上手に活用してみてはいかがだろうか。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)




