私の視点 観光羅針盤
サッカーワールドカップ北中米大会は、決勝戦でスペインがアルゼンチンを破って優勝し、閉幕した。過去最多48チームによる盛大な大会であったが、需給変動価格制の導入によるチケット高騰、トランプ大統領による政治的介入など話題豊富だった。
私が一番印象に残っているのは、アフリカ大陸の西、大西洋の小さな島国カボベルデの大活躍であった。人口約50万人の小国チームが初出場ながら、1次リーグでスペインを含む3試合とも引き分けて、決勝トーナメントに進出し、前回王者アルゼンチンと対戦して互角に闘い2対3で惜敗。
カボベルデの島々は15世紀まで無人で、16世紀以降にポルトガルによる植民地支配が始まった。自然資源と降雨量に乏しく、農業に不向きで干ばつ・飢餓で苦しめられたが、大西洋奴隷貿易の中継地として栄えた。干ばつ・飢餓、植民地主義、奴隷制などの幾重の困難のために島びとの多くが欧米諸国に移住し、お金を仕送りした。1960年代には日本の遠洋マグロ漁船が燃料・食料補給のために寄港した。74年にポルトガルで発生したカーネーション革命(無血の軍事クーデター)の影響で、75年にカボベルデの独立が承認された。現在のカボベルデはリゾート地として好評で、欧州から多くの観光客が訪れている。
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