北中米で34日間にわたって繰り広げられたサッカーワールドカップは48チームが参加、104試合が行われ、サッカーファンに寝不足をもたらした。7月20日、ようやく決勝戦を迎え、FIFAランキング1位のアルゼンチンと2位のスペインが対戦し、スペインが勝ってワールドカップを手にした。熱い闘いは終わった。
日本は全国的に梅雨明けとなった途端に猛暑日とゲリラ豪雨が続いている。猛暑が続くと人は涼を求め、水辺に近づくことになる。2025年の水難事故統計によると、死者数は742人、行方不明者は18人で、全体の水難事故件数は1426件であったが、今年も水難事故は後を絶たない。
特に中高生の事故が続いている。泳げると過信している子供が多い。海は満ち引きがあり、離岸流もある。川は流れがあり、地形により逆流も渦巻きも起こる。われわれの幼少期はプールで泳ぐというよりもっぱら川遊びだったので、自然の仕組みも危険も承知している。
静水のプールで泳げても、自然界の海や川では全く条件が異なり、そこに大きな危険が潜んでいる。学校の教育現場や社会教育の場でしっかり教えなければならない。
しかし、教員試験に荒海で潜ったり、急流で流されたりする試験はない。つまり、教員は生徒に教えられないことになる。教員も生徒も自然を体験していないため、自然との関わり方が分からない。
海には近づかない、川には入らない等と、自然に寄りつかない教育方法では、あまりにも情けなく寂しい限りである。自然の脅威を理解し、うまく活用することこそ自然との共生であり、人間の本来の姿といえる。しっかりと安全対策を取りながら、経験あるガイドインストラクターの元で自然体験活動を推進すべきである。
バーチャル漬けで、ゲームしかしない子供にも、自然の中に飛び込みたいという欲求が生まれる。それは人間として当然のことである。しかし、親や仲間の内でも、自然に対しての十分な知識や経験がある人はほとんどいないだろう。この夏休み、無理や無謀な行動で命をなくさないでほしい。
オーストラリアに次いでEUでも子供のSNS使用に制限をかける動きがある。子供が自動車運転免許を取れないのと同じようにと言っている。大人でも自己中心的で社会性が未成熟な者はたくさんいる。まして社会性や思慮分別が未成熟の子供では、大人と同様の扱いにならなくてもそれは当然のことといえる。
天気予報では、連日のように熱中症注意のアナウンスが流れている。だからといって、エアコンのある室内でゲームばかりしていては夏休みが泣いてしまう。自然の中にも涼しい地域や場所がある。安全対策をしっかりして、海・山・川の自然の中で活動するのも良い。高原のキャンプも良い。若い時の体験は後の人生に大きく役立つ。
十数年前の8月8日、新聞に体験の頻度が多い人ほど生涯所得が高いとの記事があった。何事も金銭と結び付けるのは良くないが、私はその話を何年たっても肯定的に捉えている。良い行動の数だけ人間は豊かになれる。




