草津温泉のシンボル、湯畑
草津温泉(群馬県草津町)は、旅行会社のスタッフなどが投票する「にっぽんの温泉100選」で23年連続の1位を獲得している。日本三名泉の一つで、日本を代表する温泉地。「泉質主義」を掲げる草津温泉の「温泉力」を改めて紹介する。
◆自然湧出量日本一
草津白根山に降る雨や雪は、地中に染み込み、地下のマグマから吹き出るガスで温められ、成分を含み、長い年月をかけて湧き出る。草津温泉の自然湧出量は毎分約3万2千リットルで日本一。これは1分間で家庭の浴槽約160個分がいっぱいになる量。源泉数は100本以上といわれ、旅館・ホテルで主に使われている源泉は、湯畑、白旗、西の河原、地蔵、煮川、万代の六つで、それぞれに温度や成分が微妙に異なるが、全て酸性泉だ。

西の河原露天風呂
◆奇跡の酸性泉
草津温泉は、酸性泉でpH値は2.0前後。この値はレモンに匹敵する。五寸釘でも10日間つけると、針金のようになってしまう。高い殺菌力で知られ、コロナ禍の最中には、湯畑源泉の温泉水に新型コロナウイルスの感染を抑える高い作用が報告され、話題になった。一方で強い酸性の湯は、河川などへの影響が大きい。そこで「中和工場」と呼ばれる施設があり、石灰石の粉によって中和してから下流域に流され、自然に返している。
◆暮らしに温泉
草津町は、温泉を観光資源だけでなく、暮らしを支えるエネルギーとして活用している。万代源泉は約94.5度と高温なため、その温泉熱を水道水との熱交換に利用している。温度の下がった温泉は旅館・ホテルへ、温められた温水は公共施設、一般家庭に供給されている。また、冬の寒さが厳しい草津町では、道路下のパイプに給湯前の温泉や廃温泉を流すことで凍結防止、融雪に活用している。こうした温泉熱の循環利用によるCO2削減効果は年間約1万6千トン。サステナビリティの観点からも注目の温泉地だ。
◆ ◆
草津温泉は、温泉街の中央に位置する「湯畑」を中心に継続的なまちづくりが進められ、近年では、若年層にも人気の温泉地となっている。景観の魅力を高め、温泉街を相次いで整備したほか、「裏草津地蔵」エリアを再生した。湯畑のライトアップや季節のイベントを含め、散策が楽しい温泉地として人気が高い。

草津温泉のシンボル、湯畑
草津温泉は、上信越高原国立公園の2千メートル級の山々の尾根に位置する山岳リゾートでもある。草津温泉スキー場では、2023年、床の一部を透明化した「パルスゴンドラ天狗」が通年営業を開始。今年4月には、拠点施設「天狗山センターハウス」がオープンした。ジップラインなどのアクティビティ、特別日の夜間営業などが人気となっている。





