立教大学観光研究所は9月26日、2026年度「ホスピタリティ・マネジメント講座」を開講する。全28回の講義を通じ、宿泊産業を中心とするホスピタリティ産業の経営を理論的・実践的に学ぶ公開講座だ。受講申込の個人申込期間は8月1日から31日まで。
同講座は、1946年に立教大学が常設公開講座「ホテル講座」として開設したことに始まる。その後「ホテル・観光講座」として内容を拡充し、2001年度より「ホスピタリティ・マネジメント講座」と改称して現在に至る。半世紀以上の歴史を持つ。
今年度のカリキュラムは、マーケティング、人事、デザイン、法規、地域振興、投資計画、アセットマネジメントなど多岐にわたる内容で構成。各分野の専門家や業界を代表する経営陣が講師として登壇する。
開講初日は池袋キャンパスで基調講義・名刺交換会
開講日の9月26日(土)は立教大学池袋キャンパス太刀川記念館で、基調講義・オリエンテーション・自己紹介・名刺交換会等を実施する。開講時間はこの日のみ13時00分から15時30分。
講義形態はハイフレックス型。対面講義(立教大学池袋キャンパス14号館4階D401教室)とオンライン講義(Zoom使用・ライブ配信)を組み合わせ、講義ごとに選択できる。ただし、10月20日(火)はオンライン講義(ライブ配信)のみの実施となる。
通常の火・木曜日の講義時間は19時00分から20時30分、土曜日は13時30分から15時00分。
観光庁、帝国ホテル、東横インなど多彩な講師陣
登壇する講師陣は業界の多彩な顔ぶれだ。全28回の講義内容と担当講師は以下のとおり。
9月26日(土)の開講式に続き、9月29日(火)は「観光の現状と今後の取組」と題して、観光庁観光戦略課課長補佐(総括)の安達将太氏が登壇する。インバウンド数・消費がともに過去最高水準で推移する中での政府の取組や、「観光立国推進基本計画」改定に向けた議論の方向性を紹介する。
10月1日(木)は、(株)宿屋塾塾長・立教大学観光学部兼任講師の近藤寛和氏が「本質から考える『ホテルの意義の再定義』」を講義する。「ポストコロナのホテルは、もはや非日常空間でもなければ、単なる寝床でもない」とする近藤氏が、新たな価値創造とホテルの在り方を考察する。
10月3日(土)は「2040年を見据えた観光の未来と地域戦略について」。立教大学大学院ビジネスデザイン研究科兼任講師(前じゃらんリサーチセンター長)の沢登次彦氏が担当し、「観光地経営専門家育成プログラム」との合同講義となる。
10月6日(火)は國學院大學観光まちづくり学部教授の井門隆夫氏が「旅館マーケティングの視点」を講じる。「1万年間の定住社会、200年間の余暇経済、50年間の観光バブルがリセットされた今」という問題意識のもと、地方宿泊業の新しい役割とマーケティングの視点を解説する。
10月8日(木)は一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会代表理事・事務局長であり株式会社USPジャパン代表取締役社長の新津研一氏が「ショッピングツーリズムとは ─訪日インバウンドショッピングの現状と課題─」を担当。
10月10日(土)はいちご地所株式会社代表取締役社長の細野康英氏が「ライフスタイルホテルのコンテンツと成功のためのエッセンス」を講じる。KNOTブランドを具体例に、既存のホテルとは異なるコンテンツづくりと出店戦略を解説する。
10月13日(火)は桜美林大学ビジネスマネジメント学群教授の山口有次氏が「ホスピタリティ空間」を担当。10月15日(木)は株式会社帝国ホテル人事部人事開発室長の馬場英二氏が「ホテルの人的資源管理論」を講じる。2025年に開業135周年を迎えた帝国ホテルの事例を中心に、ハードウェア・ソフトウェア・ヒューマンウェアの三要素から人材管理を考察する。
10月20日(火)はイタリア土と生態系回復コンソーシアムJINOWA代表でJIEN有限責任事業組合共同代表の齋藤由佳子氏が「世界のガストロノミーツーリズムの潮流『食文化振興による地域づくりと生態系回復』」を担当。イタリアやスペインの先進事例を交えながら、観光を通じた持続可能な地域づくりを論じる。この回はオンラインのみの実施。
10月22日(木)は株式会社陣屋代表取締役女将の宮崎知子氏が「新たな旅館・観光業DXの方向性」を担当する。大正7年(1918年)創業の旅館を2009年に継承し、クラウド型宿泊基幹システムを自社開発した宮崎氏が、地域連携DXシステムの展開を含めた実践を語る。
10月24日(土)はMark Ito Design USA・MID Hawaii・MID Japan株式会社代表でもあり立教大学学部兼任講師のマーク伊東氏が「ホテルインテリアデザイン・観光デザイン」を講じる。カリフォルニアに25年間在住した経験をもとに、「海外からの視点」で日本の観光産業が何をすべきかを議論する。
10月29日(木)は宮城大学食産業学群フードマネジメント学類准教授・立教大学観光学部兼任講師の丹治朋子氏が「ホスピタリティ産業の環境経営」を担当。「2050年カーボンニュートラル」に向けた政策加速を背景に、ホスピタリティ産業が直面する環境対応の局面と具体的な取組事例を紹介する。
11月は7日(土)から講義が再開。株式会社リゾートプラス代表取締役の澤田裕一氏が「リゾート、ホテルの開業と運営について」を担当し、沖縄を中心とした地域振興への宿泊産業の貢献を語る。
11月10日(火)は株式会社いせんISEN corp.代表取締役の井口智裕氏が「雪国文化を軸とした観光ブランディング」を講じる。2008年に「雪国観光圏」をプランナーとして立ち上げ、15年以上にわたり地域独自の文化を観光資源に変える取組を実践してきた同氏が、持続可能な新たな旅行の形を解説する。
11月12日(木)は株式会社ヤドロク代表取締役の石坂大輔氏が「地方での観光業の起業について」を担当。東京・金融業界出身の若者が地方に移住して旅館を立ち上げた経緯と、旅館経営・人材紹介・旅行業を組み合わせた「新しい宿のカタチ」を実例とともに語る。
11月17日(火)は立教大学大学院ビジネスデザイン研究科特任教授(元三井不動産ホテルマネジメント会長)の足立充氏が「都市マネジメントとしてのホテル開発」を担当。三井ガーデンホテルズが宿泊主体型ホテルに舵を切った経緯を日本の宿泊・観光の発展におけるポジションとともに紹介する。
11月19日(木)は東洋大学国際観光学部准教授の河田浩昭氏が「ホスピタリティ産業のデータ活用 ─テーマパークを中心に─」を講じる。スマートテクノロジーを活用した行動履歴データの取得・分析と、マーケティング等の意思決定への活用を、テーマパークを題材に考察する。
11月26日(木)は株式会社ブレインピックス代表取締役・立教大学観光学部特任教授の沢柳知彦氏が「ホテル資産投資の概要」を担当。オペレーターとオーナーの契約関係や、ホテルの収益構造・アセットマネジメントの基礎知識を解説する。
11月28日(土)はIDeaS Revenue Solutionsシニアリージョナルディレクター(セールスAPAC)の平佐多彬氏が「宿泊施設におけるレベニューマネジメント」を担当。継続的な売り上げに欠かせない手法の理論と実践への橋渡しを提供する。
12月1日(火)は株式会社東横イン取締役社長の黒田麻衣子氏が「原則ワンプライスを支える経営モデルと現場力」を講じる。ダイナミックプライシングを採らず「原則ワンプライス」を貫く東横インの経営哲学と、支配人の98%を女性が占める店舗運営・人財育成を紹介する。
12月3日(木)はFlat Collaboration株式会社代表取締役・一般社団法人Intellectual Innovations代表理事・立教大学観光学部兼任講師の池尾健氏が「ホスピタリティアセットマネジメント」を担当。ホテルを「収益不動産」として捉えた投資の考え方と価値向上の手法を解説する。
12月8日(火)はアーク&カンパニー代表・CBRE株式会社シニアアドバイザリーの後藤克洋氏が「シティホテルの運営について ─ホテルマネジメント契約の現在地と求められる総支配人像─」を担当。外資系ホテルチェーンの戦略的展開が続く日本市場を背景に、ホテルマネジメント契約の実態と総支配人のキャリアについて議論する。
12月10日(木)はロイヤルホールディングス株式会社取締役会長・京都大学経営管理大学院客員教授の菊地唯夫氏が「ホスピタリティ産業から考える成長戦略のすすめ方」を講じる。デフレからインフレへの転換、賃上げ、金利上昇といった経済環境の変化を踏まえた成長戦略を考える。
12月12日(土)はH.A. Advisors, Limited代表取締役(元日本ハイアット代表)・立教大学大学院ビジネスデザイン研究科特任教授の阿部博秀氏が「国際ホテル経営論」を担当。外資系・国内系ホテルオペレーターの経営戦略・開発戦略・競合状況を多角的に論じる。
12月15日(火)はホスピタリティキャピタルマネジメント株式会社代表取締役・一般社団法人日本宿泊産業マネジメント技能協会副理事長の平浩一郎氏が「ホテル業とキャピタルマーケット」を担当。バブル崩壊やリーマンショックといった過去のケースを参考に、今後の国内ホテル業への影響を検証する。
12月17日(木)は畑法律事務所弁護士・立教大学観光学部兼任講師の小池修司氏が「ホテル旅館の法規」を担当。旅館業法の許可制度、住宅宿泊事業法(民泊法)との比較、宿泊約款に基づく契約の内容、安全配慮義務など、公法と私法の両面からホテル・旅館業の実像を解説する。
最終講義となる12月19日(土)は日本ホテル株式会社常務取締役・東京ステーションホテル総支配人の藤崎斉氏が「ホスピタリティ産業の課題と展望 ─ホテル事業を中心として─」を講じる。コロナ禍からの回復、インバウンド急増、円安による価格高騰、新規ホテル開発の進展といった現状を踏まえ、観光立国を支えるホテル業の課題と展望を考察する。
ホテル見学会も実施、The Okura Tokyoとザ・カハ ラ・ホテル&リゾート横浜
課外活動として、受講生のみが参加できるホテル見学会を2回実施する。
第1回は10月27日(火)10時00分から11時00分、The Okura Tokyo。第2回は11月24日(火)15時00分から16時00分、ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜。いずれも任意参加・事前申込制で、定員を超えた場合は抽選となる。
修了式は2027年1月23日(土)15時00分から17時00分、立教大学池袋キャンパス第一食堂で行う。
受講料は一般5万円、立教大学学生は2万5000円
受講資格は高校卒業以上、またはそれと同等の能力を有する者。定員は100名(先着)。
受講料は一般50,000円、立教大学学生25,000円、本学卒業生・本学以外の学生40,000円。申込時に学生証・立教大学卒業証明書の写真を提出した場合のみ割引受講料が適用される。立教セカンドステージ大学受講生および本学科目等履修生は一般受講料となる。
今年度より修了要件が変更となった。28回の講義のうち19回以上の対面出席と、修了レポートの提出の両方を満たした場合に、研究所が修了と判定し修了証書を授与する。
講義のオンデマンド対応はない。
申込方法は、個人申込フォーム(https://ws.formzu.net/fgen/S51866662/)から必要事項を入力して送信する。申込フォームには顔写真等のデータが必要。送信後、受領メールが自動送信される。受講料の振込期間は9月3日(木)から9月8日(火)。事務局が振込を確認後、9月18日までに受講生証・受講案内等をレターパックで自宅に郵送する。
法人一括申込は7月21日(火)から8月5日(水)まで受け付ける。1社につき最大5名まで。件名「ホスピタリティ・マネジメント講座 法人一括申込み希望」として立教大学観光研究所(kanken@rikkyo.ac.jp)にメールで連絡する。
なお、観光研究所事務局は8月8日(土)から8月20日(木)まで夏季休業のため閉室する。
問い合わせ先は立教大学観光研究所事務局(東京都豊島区西池袋3-34-1 立教大学池袋キャンパス12号館2階総合研究センター内、TEL:03-3985-2577、E-mail:kanken@rikkyo.ac.jp)。




