鉄道駅などに置かれるアイカサスポット
厳しい暑さとなりそうな今年の夏だが、関西で熱中症対策プロジェクト「クール ムーブ オーサカ」が始動した。目玉は「日傘」のシェアで、傘のシェアリングサービスを手掛ける企業と関西の鉄道事業者などが手を組んだ。
関係者の1人は、観光地や観光施設でのサービス展開に意欲を示した。
プロジェクトは、置き傘シェアリングサービス「アイカサ」を運営するNature Innovation Group(NIG、東京都新宿区、丸川照司社長)とTISI(同、岡本安史社長兼執行役員)、関西の鉄道事業者8社が連携して実施する。
晴雨兼用の折りたたみ傘「アイカサmini」を近鉄や大阪メトロ、阪急電鉄、南海電鉄などの主要駅約270駅に1130本ほど設置、熱中症軽減とともに、猛暑でも安全に歩ける大阪を目指す。
日傘は重さ約250グラムで、傘の中心から放射状に延びる親骨の長さは60センチ。UVカット率99.9%、遮光率99.99%以上という。利用料金は1日210円、月額360円。
アイカサは「使い捨て傘をゼロにする」ことなどを掲げて、18年12月にサービスを開始。突発的な雨にもビニール傘をそのつど購入せず、駅や街中でアイカサを借り、雨が止めば最寄りの傘スポットに返却することでエコに貢献しながら、手ぶらで移動できるのが特徴。
今年6月時点では、関西エリア全体で約270駅のほか、商業施設やオフィスビル、大学など計500カ所以上にアイカサスポットが設置されている。

鉄道駅などに置かれるアイカサスポット
観光地・施設での本格展開に意欲 丸川NIG社長に聞く
置き傘シェアリングサービス「アイカサ」を運営するNature Innovation Group(NIG、東京都新宿区)の丸川照司社長に観光地や観光施設への展開について聞いた。
「アイカサは駅や商業施設を中心に設置しているが、その中には観光需要の高いスポットも多く含まれる。
東京・上野エリアでは東京国立博物館や東京都美術館などの文化施設、渋谷の観光案内拠点『WANDER COMPASS SHIBUYA』、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン最寄りのユニバーサルシティ駅、成田空港からの玄関口である京成上野駅などに設置し、国内外の観光客に利用いただいている。
観光領域は今後さらに注力したい分野と位置付けており、観光地・施設への本格展開の意向は強く持っている。
具体的には、(1)空港・新幹線駅など旅行の起点となる交通結節点(2)美術館、博物館、寺社仏閣、城郭などの観光名所、商店街といった、歩いて楽しむ街中―。屋外を歩く時間が長く、突然の雨で観光体験が損なわれやすい場所などはサービスの価値が高い。
需要はあると判断している。旅行者にとって傘は「使うのは移動中の一時だけ、その後は荷物になる」典型的なものであり、必要な区間だけ借りて返せるシェアリングは観光との相性がいい。使い捨てビニール傘の削減という環境面でも持続可能な観光(サステナブルツーリズム)の文脈に合致すると考えている。」
【内井高弘】

丸川氏




