JALの二地域居住プログラム「つながる、二地域暮らし2026」、参加者募集開始――対象地域を全国36市町村に大幅拡大、新会社KANTSUNAが運営へ


 日本航空(JAL)は7月16日、二地域居住プログラム「つながる、二地域暮らし2026」の参加者募集を2026年7月17日(金)から開始した。前年度に6市町で試験的に実施した同プログラムを大幅に拡充し、全国36市町村を対象とする。運営事務局はJALグループの新会社「関係・つながり共創株式会社(KANTSUNA)」が担う。応募は8月2日(日)まで受け付け、結果通知は8月7日(金)の予定だ。

 プログラム参加者は、JALグループ便を利用して対象地域を訪問するごとに、次回訪問に使えるJALマイル(1往復分)の移動費支援を受けられる。対象期間は2026年9月1日(火)から2027年1月31日(日)まで。

参加要件と支援内容

 参加には以下の条件を満たす必要がある。

  • 地域ごとに指定された最低訪問回数以上、対象地域を訪問し、滞在中は対象地域に宿泊すること

  • 対象期間中にJALグループ運航便を利用して対象地域へ訪問すること

  • 申し込み時点でJALマイレージバンク会員であること

  • その他、自治体の定める条件を満たすこと

 支援内容は、東京(羽田)または大阪(伊丹)から滞在地域至近空港までの基本マイル数(1または2往復分まで)。所定の最低訪問回数(1〜4回)が移動支援回数の上限となり、地域によって支援回数やマイル数が異なる。

 詳細はJAL公式サイト(https://www.jal.co.jp/jp/ja/dom/kantsuna/2chiiki/tsunagaru/)で確認できる。

対象は全国36地域、滞在先では「つながり体験メニュー」も

 対象地域は北海道から鹿児島県の離島まで、全国36市町村。2025年度から引き続き参加する6自治体(北海道上士幌町、和歌山県田辺市・白浜町・すさみ町、香川県三豊市、長崎県壱岐市)に加え、30の新たな地域が加わった。なお、和歌山県は唯一、県として本事業に参画している。

 対象地域の一覧は以下の通り。

| No | 都道府県 | 自治体名 |

|—-|——|——|

| 1 | 北海道 | 上士幌町(2025年度参加) |

| 2 | 北海道 | 北見市 |

| 3 | 北海道 | 斜里町 |

| 4 | 北海道 | 津別町 |

| 5 | 北海道 | 中富良野町 |

| 6 | 北海道 | 浦河町 |

| 7 | 北海道 | 小清水町 |

| 8 | 北海道 | 中川町 |

| 9 | 北海道 | 釧路市 |

| 10 | 三重県 | 鳥羽市 |

| 11 | 和歌山県 | (県として参画) |

| 12 | 和歌山県 | 田辺市(2025年度参加) |

| 13 | 和歌山県 | 白浜町(2025年度参加) |

| 14 | 和歌山県 | すさみ町(2025年度参加) |

| 15 | 和歌山県 | みなべ町 |

| 16 | 徳島県 | 三好市 |

| 17 | 愛媛県 | 大洲市 |

| 18 | 香川県 | 三豊市(2025年度参加) |

| 19 | 香川県 | 小豆島町 |

| 20 | 香川県 | 土庄町 |

| 21 | 福岡県 | うきは市 |

| 22 | 大分県 | 臼杵市 |

| 23 | 長崎県 | 壱岐市(2025年度参加) |

| 24 | 熊本県 | 多良木町 |

| 25 | 鹿児島県 | 南九州市 |

| 26 | 鹿児島県 | 奄美市 |

| 27 | 鹿児島県 | 瀬戸内町 |

| 28 | 鹿児島県 | 知名町 |

| 29 | 鹿児島県 | 龍郷町 |

| 30 | 鹿児島県 | 大和町 |

| 31 | 鹿児島県 | 宇検村 |

| 32 | 鹿児島県 | 喜界町 |

| 33 | 鹿児島県 | 徳之島町 |

| 34 | 鹿児島県 | 天城町 |

| 35 | 鹿児島県 | 伊仙町 |

| 36 | 鹿児島県 | 和泊町 |

| 37 | 鹿児島県 | 与論町 |

 滞在先では、地域との交流ができる「つながり体験メニュー」を用意。中長期的な地域との関係構築を支援する。

前年度の応募は定員の約3倍、ウェルビーイングスコアは全国平均を1.5pt上回る

 2025年度に6市町で実施した初年度プログラムの応募者数は定員数の約3倍に達した。実際に参加した人からは「実際に地域居住生活のイメージが湧いた」「地域と長期的な関係性を築くことができた」といった声が寄せられた。

 プログラム終了後のアンケート調査では、参加者のウェルビーイングスコア(10段階)が、全国平均よりも1.5ポイント高かったことが確認されている。具体的には、実証参加前のスコアが7.25点だったのに対し、参加後は8.05点に上昇。デジタル庁が令和6年度に実施した「地域幸福度(Well-Being)指標」調査による日本人平均の6.49点を大幅に上回る結果となった。

 受け入れ先の自治体からも好評を得ており、一部地域では対象期間を延長した。

新会社KANTSUNAが運営事務局に――全国25自治体以上から特定居住支援法人に指定

 2026年度から、プログラムの運営事務局を担うのがKANTSUNA(関係・つながり共創株式会社)だ。JALが2026年4月に設立した新会社で、特定居住支援法人として都市部人材と地方を面的に結ぶ「広域・社会実装型マッチング支援モデル」の構築に取り組む。

 特定居住支援法人とは、住まいの確保、地域コミュニティとの接続、仕事・活動機会の探索など、実務的な課題が複合的に存在する地域のパートナーとして、住まい・暮らし・地域との接点づくり等の支援を担う主体として自治体の首長が指定を受ける法人のことだ。

 2026年度、KANTSUNAは全国25自治体以上から特定居住支援法人の指定を受ける。全国広域で20自治体以上から特定居住支援法人の指定を受けるモデル事業の事例は日本初だという。こうした広域性が評価され、国土交通省の特定居住支援法人モデル構築実証調査にも採択されており、特定居住支援法人のあり方に関する調査・検討も担う。

 KANTSUNAは二地域居住相談会や地域紹介・交流会を開催し、二地域居住に興味がある人、地域に興味がある人、副業・活動に興味がある人など、幅広い層と地域のマッチングを行う。地域と個人を結び付けるにとどまらず、JALグループの各種プログラムをはじめ、地域と出会った人が実際に地域へ足を運ぶところまで支援することを目指す。

 JALは「航空ネットワークを軸にした二地域居住者向けプログラムを拡充するJALと、個人と地域の広範なマッチングを担うKANTSUNAが連携し、JALグループ一丸となって、二地域居住を通じたウェルビーイング向上に取り組んでまいります」としている。

JALの二地域居住推進、2020年から続く取り組みの歴史

 JALグループによる二地域居住の推進は、2020年にさかのぼる。同年11月、自治体と連携した「二地域居住を始める旅」ツアー商品を北海道・兵庫県・福岡県・熊本県で造成したのが出発点だ。

 その後、2023年10月に北海道上士幌町でワーケーション向け航空サービスの実証、2024年10月には大分県・鹿児島県で自治体とのマイル連携による二地域居住移動費支援の実証を行った。

 2025年5月・7月・9月には「JAL 2地域居住 in Kyushu」として大分県玖珠町・福岡県うきは市・鹿児島県奄美群島で一般募集を開始。同年6月には北海道で「JAL 2地域居住クラブ」の実証を行い、航空移動と住居、コンシェルジュサービスをパッケージ化した二地域居住支援サービスを試みた。そして2025年7月、「つながる、二地域暮らし」が北海道上士幌町・和歌山県田辺市・白浜町・すさみ町・香川県三豊市・長崎県壱岐市の6市町で始動した。

広域型プログラムとパッケージ型サービスの二軸展開

 JALグループは現在、二地域居住に向けた取り組みを二つの軸で展開している。

 一つ目は「移動」の支援に特化した広域型プログラムだ。今回の「つながる、二地域暮らし2026」は、2025年度に6地域で始まった「つながる、二地域暮らし」と、九州地区で展開してきた「JAL 2地域居住 in Kyushu」を統合・拡大したもの。さらにJR東日本やJR西日本との連携・共創によって、飛行機だけでなく新幹線も活用したプログラムの企画にも取り組んでいる。JR東日本とのプログラム「東日本、二地域暮らし」はすでに2026年4月13日に募集を開始した(東北6市町が対象)。また「西日本、二地域暮らし」として島根県松江市を対象にしたJALによる航空移動支援プログラムも動いている。

 これらのプログラムでは、二地域居住者・自治体・事業者の3者にとってサステナブルな事業モデルの確立を目指す。ふるさと納税などを活用した地域財源の確保も進め、二地域居住者の呼び込みと地域経済の活性化の相乗効果を図る方針だ。

 二つ目はパッケージ型サービスだ。「JAL 2地域居住クラブ」として、「移動」「住居」「コンシェルジュサービス」をパッケージ化した月額プランの会費制サービスを北海道札幌市を対象に2025年度から実証。2026年度も5月22日から募集を開始し、継続して実証を行っている。

 JALグループはこうした取り組みに加え、農水産業などの担い手確保や特定人材の地域への呼び込みなど、さまざまな地域課題に応じた個別プログラムにも並行して取り組む。全国広域での取り組みと地域個別での取り組みの双方を通じて、二地域居住の社会普及を目指す方針だ。

 「つながる、二地域暮らし2026」の詳細や申し込みは、JAL公式サイト(https://www.jal.co.jp/jp/ja/dom/kantsuna/2chiiki/tsunagaru/)で確認できる。KANTSUNAへの問い合わせはメール(contact@kantsuna.com)または同社ウェブサイト(https://www.kantsuna.com/)まで。

 
 

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