台湾・淡水エリアの新たなランドマーク「淡江大橋」
台湾観光庁は、日台間の文化、経済、交流における密接な結びつきを背景に、訪台日本人旅行者の拡大に注力している。日本市場に対し、ターゲットごとの戦略的なプロモーションを展開。初めて台湾を訪れる旅行者には、著名人やインフルエンサー、人気ドラマ・映画などを活用し、「台湾へ行ってみたい」という動機付けを重視。リピーターには、新たな魅力を発信、より深い旅のスタイルを提案し、訪れるたびに新しい発見がある台湾観光を目指している。日本のアウトバウンド市場の動向を踏まえ、日本旅行業協会(JATA)などと連携して訪台需要を喚起する。
女性層、修学旅行にも訴求
◆台湾の観光政策
台湾観光庁は、観光政策を「量の拡大」から、「質の向上」へと重点を移しつつ、単純な観光地のPRにとどまらず、台湾ならではの「温かみのあるライフスタイル」を旅行者に訴求していく考えだ。
台湾観光にとって26年は重要な転換点と捉え、「観光双輪駆動プロジェクト」として観光施策を強化している。
テーマの一つ目は、リピーター、MICE、インセンティブ旅行の誘客強化。合わせて国際コンサートなど大型イベントも誘客に活用していく。二つ目のテーマは、スマート交通と質の高い宿泊環境の整備。「Taiwan PASS」などのデジタルツールを活用し、平日旅行向けの優待施策など、繁忙期と閑散期を分散化させる。
◆日本市場への展開
2025年の海外からの訪台旅行者数は857万人となり、日本、香港、韓国の各市場はいずれも100万人を突破した。特に日本は、訪台旅行者数が148万人に達し、前年比12%以上の増加。コロナ禍前の19年実績の約7割強まで回復した。日本人は訪台旅行者数全体の17%を占める最大の市場。25年の日本・台湾の相互往来人数は過去最高の824万人。相互交流のバランスを考えると、訪台日本人旅行者数の拡大が課題となっている。
◆女性層と修旅
台湾観光庁は、訪台日本人旅行のトレンドとして二つのポイントに注目している。
一つ目は、消費意欲の高い若い女性層。台湾のライフスタイルに魅力を感じ、台湾各地を積極的に旅行しており、地方観光にも大きな経済効果をもたらしている。これまで人気の中心だった台北に加え、台中や高雄も注目されている。
二つ目は、修学旅行市場の本格的な回復。特に12歳から19歳の学生層の回復が顕著で、近年では半導体産業やSDGs、サステナビリティへの関心が高まっている。日本側の旅行社とも連携して誘客を促進していく。
◆深度旅行
台湾観光庁は、最新の市場分析を踏まえ、日本人旅行者のニーズが「My Taiwan Style」、つまり「深度旅行」へと変化していると分析している。「団体旅行からローカル体験型旅行へ」「有名店中心から路地裏グルメやデザインホテルへ」「台北中心から中南部への広域周遊へ」「定番土産から台湾らしいセレクト雑貨へ」などの旅行志向の変化に注目している。
◆好機に変える
日本人のアウトバウンドをめぐる環境は、円安、燃油サーチャージの上昇、日本国内の物価高騰など、マイナス要因が少なくないが、台湾観光庁では、これらの状況を好機に変えたいと考えている。「日本では、欧米などの長距離旅行から、近距離旅行へのシフトが進んでいる。台湾には『日本から近い』『台日関係が良好』『安全・安心』という大きな強みがある」と強調する。「台湾百Ways」をテーマに多様な台湾の魅力を発信し、これまで欧米などを検討していた旅行者にも、台湾を選んでもらえるよう情報発信を工夫していく方針だ。
淡水エリアの新ランドマーク「淡江大橋」 5月に開通
「淡江大橋」が今年5月に正式開通した。新北市の淡水河口の両岸である淡水と八里を結ぶ単塔式斜張橋。新北市の淡水エリアは、川沿いの老街散策や食べ歩き、歴史的建築物、海辺の開放的な景色が楽しめる台北近郊を代表する観光地。淡江大橋は淡水エリアの新しいランドマークとなり、その景観が台湾内外の旅行者の人気を集めている。橋の長さは920メートル。世界的に著名な建築家、ザハ・ハディド氏のチームが設計を手掛けた。有名な淡水の美しい夕景を遮らないように配慮したデザインで、「淡水の夕日」という観光資源の魅力をさらに高めている。夜間にライトアップされた橋の姿も、「祈りを捧げる少女」のようだと評判になっている。
台湾・淡水エリアの新たなランドマーク「淡江大橋」
「台湾パス」もリニューアル
個人旅行者の交通・移動の利便性向上に向け、「TaiwanPASS(台湾パス)」を4月にリニューアルした。各都市の交通機関や観光シャトルバスの利用がセットになった交通周遊パスで、台湾各地を巡る旅行者が便利でお得に利用することができる。高速鉄道版と台湾鉄道版の2種類を用意し、いずれも3日間の利用が可能だ。台湾観光庁では、台湾パスのさらなる認知拡大を目的に、7月から9月末まで毎月200人、総勢600人に台湾パスをプレゼントする「無限の旅『Way』へ」キャンペーンを開始した。ユニークなSNSを活用した広報展開も話題だ。
また、中南部を訪れる外国人旅行者を対象に、高鉄の「1枚購入でもう1枚無料」のペア利用特典キャンペーンを展開するなど、充実した交通網を利用した中南部方面の深度観光も促進する。
「台湾パス」






