JR西日本の倉坂昇治社長は6月22日の定例会見(東京)で、500系新幹線と、「ドクターイエロー(T5編成)」の具体的な引退時期を発表した。500系は2027年1月13日で定期運転を終了し、同7月に営業運転を終える。ドクターイエローは同1月に検測運転を終了し、新幹線の開業以来続いてきた検測車の歴史に幕を閉じる。同社ではこれまでの感謝の気持ちを込めて、残りの期間をさらに楽しんでもらえる多彩な記念企画を実施する。【記事提供:交通新聞】
500系
500系新幹線は、1997年3月に「のぞみ」(16両編成)としてデビュー。営業速度では日本で初めて時速300㌔を達成し、新大阪―博多間を最速2時間17分で結んだ。始発駅から終着駅までの平均速度(新大阪―博多間・時速242・5㌔)と、隣接する停車駅間の平均速度(広島ー小倉間・同261・8㌔)の二つでギネス世界記録(当時)を樹立した。
設計段階から同社が単独で開発した車両で、スピード感とスマートさを兼ね備えた近未来的な形状から非常に高い人気を誇る。
2008年12月からは8両編成に順次改造され、「こだま」としての営業運転を開始し、10年2月に「のぞみ」としての運用を終了。15年以降は1編成が「500 TYPE EVA」や「ハローキティ新幹線」の特別列車として運転されるなど、山陽新幹線を盛り上げた。
現在、4編成が活躍しているが、順次その役割を終え、来年1月13日をもって定期列車の運転を終了する。その後も臨時列車などとして走るが、27年7月には全ての運転を終える予定。
ドクターイエロー
新幹線の線路や架線、信号設備の状態を測定するドクターイエローは、姿を見る機会が限られていることから「幸せの黄色い新幹線」としても親しまれているが、JR東海のT4編成が昨年1月に引退したことから、JR西日本所有のT5編成のみとなっている。
T5編成は、2005年のデビュー以来、20年以上にわたって東海道・山陽新幹線の安全・安定輸送を支えてきた。来年1月の検測運転終了後は、山陽新幹線区間においてもJR東海保有の営業用車両に搭載された検測機器で実施予定。
記念ロゴや旅行商品展開
引退記念に向けたプロモーションでは、各車両の鮮やかなカラーリングを生かしたキービジュアル、記念ロゴを制作。宣伝物や記念グッズなどで展開していく。記念ロゴは、7月以降に一部500系の1、7号車の車体側面、ドクターイエローの1、7号車の先頭部扉窓に掲出する。
記念旅行商品のうち、500系関係では、新大阪を博多行き最終列車の後に発車し、博多には新大阪発の始発列車より早く到着する「V編成で一夜を過ごす 500系新幹線特別運行」(7月31日発、今月30日抽選受け付け開始予定)、博多総合車両所に列車で直接入線し、車内から所内を見学できる「500系大満喫の旅」(8月2日、あす25日先着受け付け開始予定)、V4編成の営業運転ラストランを楽しむ「ありがとう500系V4編成ラストラン 上り無待避運行! 博多~新大阪往復乗車」(8月30日、7月22日先着受け付け開始予定)などを発売する。同社の観光ナビアプリ「tabiwa トラベル」で取り扱う。
ドクターイエロー関係では、実際に検測する様子を車内から見学する「ありがとうドクターイエロー 夢の検測走行車内見学」(7月26、27日、あす25日先着受け付け開始予定)や、JR東海との連携により、東京から博多までの約6時間乗車できる「東海道・山陽新幹線直通!ドクターイエロー体験乗車」(10月9日)、最後の乗車機会となる「さよならT5編成(仮称)」(来年1月10日)などを用意する。
記念商品は、7月以降順次、ロゴやキービジュアルのデザインを使用したピンバッジセット(2420円)、クッション(3960円)などのグッズをJR西日本エリアの一部駅ナカ店舗や、同社公式産直オンラインショップ「DISCOVER WEST mall」で取り扱う。500系新幹線廃車発生品もジェイアール西日本商事のサイトで数量限定で販売する。
この日の会見で倉坂社長は「500系新幹線とドクターイエローはその活躍と貢献から、私どもとしても非常に思い入れの深い車両。さまざまな企画、イベントを通じてたくさんの方々に引退を見送っていただけるようにしたい」と述べた。

【記事提供:交通新聞】






