鳥海氏
5月と6月の2カ月連続で茨城県水戸市へ仕事で向かう機会があり、常磐線の特急「ひたち」を利用した。2015年3月、常磐線は上野東京ラインの開業によって品川駅まで直通運転を行うようになり、上野駅で乗り換えることなく東京駅や品川駅(快速列車や普通列車は新橋駅にも停車)から利用できるようになった。東京駅を拠点に移動する機会が多い私にとって、この利便性向上は非常に大きく、旅行や出張での移動において便利になった。特に常磐線沿線の住民の方の通勤が便利になったことはいうまでもないだろう。
常磐線特急には、速達タイプの「ひたち」と停車駅の多い「ときわ」があり、併せておおむね30分間隔で運転されている。この多頻度運転は首都圏の在来線特急の中でも使い勝手が良く、予定を組みやすい。特に水戸へ向かう場合、一部の「ひたち」では品川駅を出発後、東京駅、上野駅のみ停車し、その次が水戸駅という速達ダイヤになっている。私が利用した列車も東京駅から約1時間15分前後で到着し、新幹線がないエリアでありながらも速達性を実感できる。
現在、「ひたち」「ときわ」は全車指定席となっており、駅のみどりの窓口だけでなく、ネット予約「えきねっと」からも簡単に予約できる。特に便利なのがチケットレス特急券で、特急券のみをパソコンやスマートフォンで購入でき、乗車券はSuicaやPASMOなどの交通系ICカードを利用できる。駅で切符を受け取る必要がなく、スマートフォンに表示された座席番号を確認して、そのまま指定された席に向かえばよい。
さらに、予約時にはシートマップを見ながら席を選べるため、窓側や通路側など好みの座席を確保できるのも便利で、私が利用した時の中でも金曜日の夕方で東京方面の列車は非常に混雑しており、乗車の数時間前に窓側席を確保していたが、水戸駅出発時にはほぼ満席となっていた。利用者の多さを考えると、早めのメリットは大きい。
常磐線沿線の各駅へ高速バスも数多く運行されているが、所要時間の短さや定時性、快適性では特急列車に優位性がある。ただ高速バスは料金面で競争力があり、それぞれが異なるニーズを満たすことで上手に共存している。使い分けをしている利用者も多い。
東京駅・品川駅への直通運転に加え、チケットレスサービスの普及によって、常磐線特急は以前よりも格段に利用しやすくなった。こうした便利なサービスを活用し、多くの人に常磐線特急の利便性を知ってもらうことでさらなる利用者の増加につながるだろう。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)




