【体験型観光が日本を変える447】団体旅行は必要とされていないのか 藤澤安良


 G7がフランスのエビアンで開催され、ようやくイランと米国の戦争が収束する方向で動き出した。しかし、イスラエルとレバノン間の紛争も含まれており容易ではない。また、ホルムズ海峡の平穏な船の航行が保障できるまでは時間がかかりそうだ。しかし、その事態への好感で日本の株価は高値を付けている。外国為替市場は39年ぶりの円安で1ドル161円を超え、海外旅行のモチベーションが下がってしまう。

 時を同じくして、米国を中心に北米でサッカーのワールドカップが開催されており、日本でも盛り上がっている。イラン選手の米国への入国を認め、イランの試合が行われている。平和の祭典であるスポーツを政治と分けて判断したことはよかったとも言える。

 日本からもサッカーの応援に行く人が多い。観光経済の大きな材料である。9月には名古屋でアジア大会が開催される。これもまた、多くの人が動く材料となる。イベントや大会は部分的で短期的ではあるが、規模が大きい場合は好材料である。

 梅雨の雨と湿度から逃れられるとして6~7月は北海道旅行が定番であった。観光スポットでは大型バスが並んでいた。それは、昔のことである。

 過日、クマ注意の看板が至るところで目に付く知床半島から知床峠に行った。クマにも出会うことなく、すれ違うツアーバスもなく、駐車場もマイカーとレンタカーのみである。70代のわれわれがレンタカーを使っていることからも、貸し切りバスでの観光が高年齢化している。

 年代に関係なく旅行企画そのものに魅力があり、普段は体験や観光できないものが可能であったり、特別な企画であったり、キラーコンテンツであれば、幅広い客層に支持を得ることになる。旅行会社の企画力や対外折衝能力が問われる時代である。

 大型団体の動きが少なくなった今日、バスでいうところの台数口であるが、それは、修学旅行ぐらいである。その修学旅行でバス9台口を受け入れる現場を見たが、懐かしい光景である。コロナ後は特に大型の宿泊施設が少なく、食事場所もなくなり、300人以上一斉に受け入れられる見学場所や体験プログラムは限られてきている。

 また、航空機利用でも大型機の飛ぶ幹線に限られてしまう。当然行動上のロスタイムも生じることになる。とりわけ、体験学習や探求学習が重要視され、体験も個人の希望を重視した選択別体験が多くなり、個人にスポットライトが当たり、交流やコミュニケーションが重要視されることになる。人数をさばくとかの感覚では求められる旅の形になりにくい。同一行動の人数単位を考え直す必要もありそうだ。

 一方で、どこの学校も狙う修学旅行日程は同じであり、旅行会社側のスタッフが足りないことから、添乗時期が重なることも悩みであり、大規模校の方が合理的であると考えると、簡単ではなさそうである。社会が大きく変化し続ける中で、行き先も内容も含めて旅行形態も変化する時期に来ている。併せて、気候変動やクマなど自然環境変化に対応していかなければならない。

 
 

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