JATA、第4回SDGsアワードの受賞者発表 大賞は沖縄ツーリスト ユネスコと連携で子供の体験格差解消


記者会見での記念撮影の様子

記者会見での記念撮影の様子

 日本旅行業協会(JATA)は7月2日、第4回「JATA SDGsアワード」の受賞者を発表した。最優秀作品の「大賞」には、沖縄ツーリストの「日本ユネスコ協会連盟『沖縄体験旅行』:様々な困難状況に置かれた日本各地の子どもたち50名以上に体験支援を提供」が選出。同日に開かれた記者会見には、各部門で優秀賞を受賞した代表者が出席し、自社の取り組みを紹介した。


応募件数は増加、継続応募の会社が多数

 今回の応募数は58件(21社)で、件数は昨年の57件から1件増となった。ただ参加社数は昨年の25社から微減し、新規応募社数も昨年を下回った。今回はこれまで継続応募してきた会社からのエントリーが多数を占めた。

 応募対象は、2025年4月から今年3月に実施した活動・事業。これまで継続して実施したものも、期間内に効果が見られれば応募可とした。

 部門は、前回同様「経営」「社会経済」「文化」「環境」の4部門を設定。部門ごとに優秀賞1点、特別賞1点、奨励賞複数点を用意し、全体から最優秀作品の大賞が選ばれる。

 今回大賞に輝いた沖縄ツーリストの作品は、貧困などの状況に置かれた国内各地の子供たちを沖縄への体験旅行に無償で招待し、SDGsの切り口で平和・文化・環境学習を提供するというもの。日本ユネスコ協会連盟と連携し、2024年以降毎年3月に実施している。

 記者会見に出席した同社SDGs・EGS経営推進本部長執行役員の栩野浩氏は、同アワードの第1回から継続して応募してきた過去を紹介。「この国が抱える子供の潜在的貧困や体験格差に対して、旅行が持つ力、沖縄が持つ力で解決の糸口を提供していく取り組みだ」と強調した。

沖縄ツーリストの栩野浩氏
沖縄ツーリストの栩野浩氏

各部門の優秀賞も紹介、生徒や訪日向けが目立つ

 経営部門の優秀賞は、JTBの「MY LIV PROJECT ~私と私たちのWell-beingに出逢う旅~」が受賞。国内の子供たち向けにスタートした企画で、「MY LIV」を“自分らしさ”と定義。修学旅行を、消費型の旅行から「自己変容」の場にシフトさせる目的で実施する。平和学習や観光従事者(観光人)への探究学習で構成されている。

 社会経済部門の優秀賞は、エイチ・アイ・エス(HIS)の「旅行者の手でリユース車いすを世界へ!『空飛ぶ車いす』が紡ぐサステナブルな旅 ~モノの再生から始まる、旅を社会課題解決の力に変える体験型ツアー~」が受賞。工業高校の生徒が修理・再生した車いすを、それを必要とする国々に高校生自ら直接運び届けるというツアーで、参加費も現地に寄付される。モノの再生から旅に至るまで、社会課題解決の力に変える仕組みが高く評価された。

 文化部門の優秀賞は、読売旅行の「訪日外国人向け金継ぎ体験販売の拡大~ものを大切にする心を世界に」が受賞。日本の伝統技術である金継ぎをインバウンド向けに展開し、文化体験の幅を広げた。通訳機器の導入などによるコスト削減を実現しつつ、提携先陶磁器専門店の事業承継などにも貢献した。

 環境部門の優秀賞は、東武トップツアーズの「CO₂可視化で行動が変わる脱炭素修学旅行モデル」が受賞。JTB、T-LIFEホールディングス、日本旅行、名鉄観光サービスとの連携企画で、昨年開催された大阪・関西万博を契機に、大阪市の公募事業として実施。大阪を訪れる修学旅行生に脱炭素ツアーを提供した。公共交通機関の利用や食品ロス削減など、旅行中の環境配慮行動をポイント化し、楽しみながら脱炭素体験を学習できる仕組みとした。今後は企業研修や一般団体旅行への拡大も図るという。

 記者会見に出席したJATA総務部長の菅野貴氏は、「さらに多くの会員の方々がSDGsへの理解を高め業界全体で貢献できるよう、JATAとしても情報発信を含めてしっかりサポートしていきたい」とコメント。今回は、「JATA就活ナビ」のインスタグラムを通じた学生への情報発信や、「JATA経営フォーラム」での受賞事例の紹介などを行ったと紹介した。

 その他の受賞作品は、JATAのホームページで公開している(https://www.jata-net.or.jp/2026/07/)。

記者会見での記念撮影の様子
記者会見での記念撮影の様子

 
 

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