【全国の観光業界・観光行政の皆さまへ アンケート協力のお願い】日本旅行業協会、「第5回インバウンド旅行客受入拡大に向けた意識調査」を6月25日から実施 回答期限は7月22日


 一般社団法人日本旅行業協会(JATA)は6月25日、「第5回インバウンド旅行客受入拡大に向けた意識調査」の回答受付を開始した。対象は全国の観光関連事業者や自治体など。回答締切は7月22日(水)。主催はJATA、後援は日本政府観光局(JNTO)が務める。

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第5次観光立国推進基本計画の閣議決定を背景に実施

 本年3月、第5次観光立国推進基本計画が閣議決定された。同計画では、観光を「地域経済や日本経済の発展をリードする戦略産業」として明確に定義。インバウンドは地方活性化の切り札として、さらなる期待が高まっている。

 こうした背景のもと、JATAは国内観光産業事業者や自治体の意向、問題・課題感を正確に把握することを目的に、2023年8月以降、計4回にわたりインバウンド旅客受入拡大に向けた意識調査を実施してきた。調査結果をもとに、昨年および本年、観光庁に対して提言・要望を行っている。

 2026年4月13日には、村田茂樹観光庁長官を訪問し、「【要望】訪日旅行の持続的発展に向けて」と題した要望書を提出した。今回の第5回調査は、「定期的なアンケートを通じて時系列での変化や新たな動きを把握」するために実施されるものだ。

安全・安心な訪日旅行の提供を目指す三つの目的

 調査の実施目的は次の三点に整理されている。

 第一に、「安心・安全な訪日旅行の提供に向けて、訪日旅行客を受け入れる国内観光事業者や自治体の皆様が求めていること、課題として認識されていることを定期的にリアルタイムで把握すること」。

 第二に、「国内の現状を正確に把握し、これまで以上に国内の関係事業者が協力体制を構築し、国・関係機関等に対して関連団体と連携して課題解決に向けた要望等を行うこと」。

 第三に、「調査結果をJATAホームページ・メディア等を通じて広く情報共有を図ること」。

 取得したデータは分析・情報共有に活用されるほか、観光関連事業者等の課題解決の一助とするとともに、国・関係機関等への要望書提出等への活用も検討される。

WEBアンケートで全30問、回答所要時間は約5〜10分

 調査はWEBアンケートで実施される。URL(https://questant.jp/q/ZYNITW3H)から6月25日より回答可能。紙面による回答も受け付けており、その場合は7月22日(水)を最終消印として、調査実施会社であるJTB総合研究所宛に投函する形を取る。

 回答所要時間はおよそ5分〜10分。

 調査対象は、全国の観光関連事業者、自治体、DMO、DMC、観光協会、非営利活動法人、営利活動法人など。旅行会社のパートナー企業および業界紙4社のメルマガ登録者へのWEB・紙面アンケートを通じて告知が行われる。

設問の全容 現状把握から将来課題まで網羅

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 設問は全部で30問(一部条件付き設問を含む)で構成される。以下に主な設問の内容を示す。

回答者の属性・基本情報(Q1〜Q4)

 所属する組織・団体の種別(宿泊事業者、飲食事業者、輸送事業者、観光施設、旅行会社、自治体、DMO、DMC、観光協会、外国語ガイド、その他非営利活動法人、その他営利活動法人など)、勤務地の都道府県、営業拠点のある都道府県、組織名を問う。

インバウンド受入実績・現状(Q5〜Q9)

 2025年(1月〜12月)のインバウンド観光客の受入のべ人数(地域への訪問人数)について、「1,000,000人以上」から「1人以上〜10人未満」「取扱なし(受入していない)」「不明(計測していない)」までの選択肢で回答を求める。

 「取扱なし(受入していない)」を選択した回答者には、将来の受入意向(Q6)と、受入の予定がない場合の理由または課題(Q7)を追加で問う。Q7の選択肢には、「オーバーツーリズム」「地域住民の感情への配慮」「インバウンド対応への投資資金が不足」「インバウンドを受入れる余裕がない」「人手不足や人材不足」「多言語インフラ整備が不十分」「外国語対応スタッフの雇用」「食事対応(ハラル・ビーガン・アレルギー対応等)」「サステナビリティ・SDGsへの取組」「電子決済対応(キャッシュレス化)の遅れ」などが並ぶ。

 インバウンドを受け入れている事業者に対しては、「現在(2026年1月〜6月)」の前年比のインバウンド観光客数の受入状況を人数ベースもしくは稼働率と売上もしくは取扱額の両面から問う(Q8)。あわせて、国内旅行を含む観光客数全体の前年比(Q9)も確認する。

受入の詳細(Q10〜Q14)

 インバウンドが特に多い(多くなると想定される)時期(Q10)、受け入れているインバウンドの旅行スタイル(Q11)、受入が多い国・地域(Q12)、今後新しくインバウンドの受入強化を予定している国・地域(Q13)、予約チャネル(Q14)を問う。

 Q10の選択肢には「オールシーズン」「春節期間(毎年概ね1月末〜2月)」「春季(桜のシーズン・イースター)」「夏休み期間(7月後半〜8月末)」「秋季(紅葉のシーズン)」「スキーシーズン」などが含まれる。

 Q11の旅行スタイルとしては「個人レジャー」「団体レジャー」「個人ビジネス」「団体ビジネス(視察、交流団体等)」「MICE(企業インセンティブ・国際会議・見本市等)」「学生団体・教育旅行」「スポーツ団体」「農泊」などが列挙されている。

 Q14の予約チャネルは最大3つまで選択可能で、「日本の旅行会社、旅行サービス手配業者」「海外旅行会社」「国内OTA」「海外OTA」「企業(国内外)」「政府・自治体・外郭団体・教育機関」「旅行者本人」「観光協会、観光案内所」などから選ぶ。

現在の課題と将来の課題(Q15〜Q20)

 Q15では、インバウンド受入に際して「現在抱えている課題」を最大5つ選択する形式を取る。選択肢は24項目に及ぶ。主な内容は以下の通り。

  • 国・政府の支援、官民連携

  • 自治体の広域連携の拡大

  • オーバーツーリズム(混雑感、ポイ捨て、渋滞、騒音、地域住民への配慮等)

  • 為替変動による影響

  • 観光インフラ整備(観光案内所・トイレ等)

  • 国際線地方路線の復便、新規航空路線の取り込み

  • 主要都市から地方へのアクセス

  • 二次交通の整備(自動運転・ライドシェア・観光型MaaS等)

  • 安全・医療・災害対策(災害対応・メディカル・救急体制)

  • インバウンド対応への投資資金不足

  • 人手不足や人材不足

  • 多言語インフラ整備(パンフレット、WEB、契約書等の多言語化)

  • 外国語対応スタッフの雇用

  • 通訳案内士不足、制度の見直し

  • 食事対応(ハラル・ビーガン・アレルギー対応等)

  • サステナビリティ・SDGsへの取組(LGBTQ・バリアフリー等の多様性への対応を含む)

  • 観光DX推進(多言語音声ガイド、スマホ対応、SNSの活用等)

  • 効果的なプロモーション活動(インフルエンサーの活用やリピーター取込等)

  • 電子決済対応(キャッシュレス化)

  • 新規コンテンツの発掘

  • 各市場に沿った訪日外国人の受入戦略の構築

  • 旅行商品流通体制・販売ネットワークの構築・拡充

  • リピーターの獲得

 Q16では、選択した課題が前年と比較してどのような状況かを問う。「全ての課題は解決に向かっている」「一部の課題は解決に向かっている」「依然として未解決課題として残っている」「むしろ悪化している」「課題の解決に取り組む予定はない」の5択だ。

 Q17・Q18は「人手不足・人材不足」と回答した事業者を対象に掘り下げる設問。Q17では要因(「観光業界の魅力が乏しい」「待遇(賃金、福利厚生、研修制度等)」「離職率が高い」「人口一極集中、過疎化による労働人口不足」など最大3つ)、Q18では不足している職種(「ドライバー・バスガイド」「サービスフロントスタッフ」「調理スタッフ」「通訳案内士」「多言語対応スタッフ」など)を問う。

 Q19では将来顕在化すると思われる課題を最大5つ選択。Q15と同様の選択肢が用いられる。

 Q20は、Q19で「国・政府の支援、官民連携」を選択した回答者のみを対象とし、重要だと考える具体的な施策・取組を最大3つ選ぶ。「設備投資・インフラ整備への財政的支援」「ビザ(査証)要件の緩和・免除、および入国手続きの円滑化」「オーバーツーリズム対策と持続可能な観光への取り組み支援」「観光人材の確保・育成」「外国人人材の雇用・育成(特定技能制度の活用・拡充等含む)」「テクノロジー導入による省力化・生産性向上への支援」「違法業者の取り締まり強化」「訪日外国人のマナー啓発・啓蒙支援」「二次交通の整備(自動運転・ライドシェア・観光型MaaS等)」などが並ぶ。

ツアーオペレーター品質認証制度(Q21)

 「すでに認証を受けている、活用したことがある」「認証を検討している、活用を検討している」「名前を聞いたことがある」「知らない」の4択で回答を求める。

 同制度は、訪日旅行の品質向上と旅行者の安全・安心を目的としたツアーオペレーターを対象とした品質認証制度。「企業の法令遵守」「品質管理・サービス水準」「CSR」「サステナブルツーリズム」の4つの側面から評価し、基準を満たした事業者を認証する。国からも推奨されており、2025年4月1日現在で47の旅行会社・ツアーオペレーター・DMC等が認証されている。

新たな観光コンテンツ(Q22)

 「現在、国内旅行、インバウンドを問わず、新たに需要が生まれた、もしくは力を入れている旅行・観光関連コンテンツ等」について最大5つを選択する設問。選択肢には「サステナブルツーリズム(持続可能な観光)」「高付加価値旅行」「早朝観光、ナイトタイムエコノミー」「野外活動(グランピング等)」「泊食分離」「アンダーツーリズム(穴場観光)」「ホープ(ダーク)ツーリズム」「ガストロノミーツーリズム(美食・食文化)」「酒ツーリズム(ワイン、ウィスキー、日本酒等)」「デジタルノマド」「ワーケーション」「アドベンチャーツーリズム」「スノーツーリズム(スキー・かまくら等の雪文化)」「スポーツツーリズム」「農泊」「教育旅行」「ひとり旅(ソロトラベラー)」「ヘルス・メディカルツーリズム」「オンラインコンテンツ(バーチャルツアー・メタバース等)」などが含まれる。

 なお、設問内で定義されている「高付加価値旅行」とは、JNTOが「訪日旅行1回あたりの日本国内での総消費額が1人100万円以上の旅行者」をターゲットと定義したもの。また「アドベンチャーツーリズム(AT)」は、Adventure Travel Trade Associationによる定義に基づき、「アクティビティ体験、自然体験、文化体験の3つの要素のうち、2つ以上の要素で構成される旅行」を指す。

第5次観光立国推進基本計画(Q23〜Q25)

 2026年3月27日に閣議決定された第5次観光立国推進基本計画の認知度(Q23)、インバウンド施策として重要だと思われる目標(Q24)、目標達成にあたり行うべき施策・意見(Q25、自由記述)を問う。

 Q24の選択肢には「訪日客の戦略的な誘客と住民生活の質の確保との両立に取り組む地域数」「訪日外国人旅行者数」「訪日外国人に占めるリピーター数」「訪日外国人旅行消費額」「訪日外国人旅行消費単価」「訪日外国人旅行者の地方部における延べ宿泊者数」「国際会議の開催件数」が並ぶ。

物価上昇とコスト転嫁(Q26〜Q27)

 宿泊事業者、飲食事業者、輸送事業者、観光施設、旅行会社を対象に、物価上昇等による前年比でのコスト上昇に対して価格への反映がどの程度できているかを問う(Q26)。価格転嫁している場合はその理由(Q27)として「人件費改定(賃上げ・要員増)」「設備投資(IT・WEBシステムの拡充を含む)」「仕入価格(物価)の上昇」「水道光熱費の上昇」「商品・サービス内容の改良」「市場価格(需給バランス)に応じて」などを複数選択できる。

2027年国際園芸博覧会への対応(Q28〜Q29)

 2027年3月から開催予定の国際園芸博覧会に向けた取組・施策の検討状況(Q28)、および同博覧会が事業にもたらすと想定されるポジティブな影響(Q29)を問う。Q29の選択肢には「インバウンド受入人数の増加」「交通インフラの拡充と利便性向上」「地域間の広域連携および観光地の分散化促進」「デジタル化・DX推進の加速」「サステナブルツーリズムへの意識向上と対応促進」「新たな観光コンテンツ・体験プログラムの開発と多様化」「観光関連産業における人材の確保・育成および労働環境改善の進展」「国際的な注目度向上による日本全体の観光ブランド力強化」などが含まれる。

訪日教育旅行の受入状況(Q30)

 海外の学校・学生の受入(長期受入を除く)の実施状況と、受入拡大に必要な条件を問う。「現在、積極的に受け入れている」から「実施予定はなく、関心もない」までの6択で実施状況を確認。受入拡大の条件については「受入費用に対する補助制度の充実」「受入プログラムの標準化・パッケージ化」「海外教育機関とのマッチング支援」「通訳・ガイドの確保支援」「受入マニュアル・ガイドライン整備」「安全管理・保険制度の整備」「相互交流の仕組み(受入だけでなく、日本からの派遣、姉妹都市・姉妹校連携等)」などから最大3つを選択する。

主催・後援・協力の体制

 主催はJATA(一般社団法人日本旅行業協会)、後援は日本政府観光局(JNTO)が務める。協力団体は公益社団法人日本観光振興協会、一般社団法人全国旅行業協会、公益社団法人日本バス協会、株式会社観光経済新聞社、株式会社航空新聞社、トラベルボイス株式会社、訪日ラボ(株式会社mov)。調査実施会社は株式会社JTB総合研究所。

 JATA訪日旅行推進委員会の委員長は山北栄二郎氏が務める。

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