【日本政府観光局インバウンド最新リポート 133】イタリアの訪日旅行市場 四つの重点ターゲット JNTOローマ事務所 豊田健所長


 2025年(年間)の訪日イタリア人数は30万人を超え、過去最高を更新した。これはコロナ前の2019年比で、欧州主要市場中、最大の伸び率(90.1%)となり、当地における訪日旅行人気の着実な拡大を示している。一方で2026年に入り、伸び率は鈍化傾向にある。中東情勢等の外的要因の影響に加え、コロナ後に続いた急成長が一段落し、市場が量的拡大から質的成長の段階へと移行しつつあると捉えられる。

 こうした環境変化を踏まえ、2026年4月に刷新した訪日マーケティング戦略では、イタリア市場において四つの重点ターゲットを設定した。依然として7割超を占める訪日未経験者の取り込みは引き続き重要であるため、訪日経験者とは区分し、旅行スタイルや消費志向の多様化に対応する形で3層に整理した。そのうち最大ボリュームである夫婦・パートナー層については、「20~30代の若年層(表内A)」と「40代以上の所得上位層(表内B)」に区分し、前者では訪日者数自体の拡大、後者では高付加価値消費や地方誘客の促進を狙う。さらに「家族・親族層(30~50代)」を新たに設定した(表内C)。イタリア人の中長距離旅行において家族・親族旅行は最大シェア(JNTO調査)を占めるものの、行き先として日本が選ばれる割合はまだ低く、日本側の受け入れ環境整備や情報発信次第で大きな伸びが期待できる有望な層である。

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