6月2日朝、沖縄タイムスから衝撃の速報が届いた。「沖縄ツーリストが丸紅の傘下に」。そのタイトルをみて、すぐさま同社の東(ひがし)良和会長へ連絡を入れた。寝耳に水の一大事。それも相手は大手総合商社の丸紅である。繊維や原子力、カーボン排出権などを扱う企業が、なぜ観光なのか。
その1週間後、那覇へと飛んだ。本社会議室で、笑顔で出迎えてくれた新・経営陣の皆さんの名刺には、すでに丸紅のロゴが赤く刷られている。かなり早い時期から、水面下で交渉があったものと直感した。
米国統治下の1958年、先代の良恒氏らが創業した同社は、慰霊団の受け入れや米軍関係者の渡航手配を手がけた。本土往来にもパスポートが必要な琉球政府の時代だ。復帰前の1970年には、県内初のレンタカー会社「OTSレンタカー」を興して、のちの自由旅行ブームの礎を築いた。
2代目の良和氏は、米国コーネル大学ホテル経営大学院を修了した観光経営のプロである。北海道をはじめとする県外、さらには台湾やニュージーランドなど海外にも拠点を設け、ダイナミックに事業展開を進めてきた。
会員向け記事です。





