【Jack高橋のユニバーサルフードとインバウンドの未来38】多様な食習慣への対応と日本企業が切り開く世界市場 高橋敏也


 獺祭は、コーシャ認証だけでなく英国ヴィーガン協会の認証も取得している

 獺祭は、コーシャ認証だけでなく英国ヴィーガン協会の認証も取得している

 前回は、コーシャ認証がグローバルブランドにとっていかに重要な戦略的意味を持つかをご紹介しました。今回は、現代社会で高まる多様な食のニーズへの対応力と、日本の企業が受けている恩恵について解説いたします。

 コーシャには「肉と乳製品を混ぜない」などの厳格なルールが存在し、これが特定の食事制限を持つ人々にとって大変便利なガイドとして機能しています。例えば、「パレベ(Pareve)」と呼ばれるマークがついた製品は「肉も乳も含まない」ことを保証するものです。そのため、乳製品アレルギーを持つ人々や、ヴィーガンの人々が安心して購入できる目印となっています。また、イスラム教の「ハラール」とコーシャは共通点が多いため、ハラール製品が見当たらない場合に代替としてコーシャ製品を選ぶムスリムの消費者も少なくありません。

 お菓子や嗜好品の分野でもコーシャ基準を満たすことは一般的です。ハーゲンダッツが乳製品の厳格な基準である「コーシャ・デイリー」を取得しているほか、ゴディバやハーシーのチョコレート製品、スターバックスのコーヒー豆やシロップなども多くが認証を受けています。

 世界のコーシャ食品市場は拡大を続けており、2026年現在で約388億ドルという巨大な規模に達しています。この背景には「何が入っているか明確であること」を求めるクリーンラベル市場の拡大があり、今後も年間9%の力強い成長が見込まれています。また、BtoB(企業間取引)における雪だるま式の広がりも重要です。コーシャの完成品を作るメーカーは認証済みの原材料しか使えないため、香料や添加物などの原料供給メーカーも連鎖的に認証を取得せざるを得ない構造があるのです。
こうした中、海外輸出を強化する日本企業も積極的に認証を取得しています。世界中で展開するキッコーマンのしょうゆをはじめ、味の素のうま味調味料、ヤクルトの乳酸菌飲料、伊藤園の茶葉などが挙げられます。また、株式会社獺祭の「獺祭」はいち早く認証を取得し、海外の高級レストランでの確固たる信頼を勝ち取りました。日本の食品はもともと高品質ですが、コーシャ認証という「世界共通の物差し」を加えることで、その品質を海外の消費者に一目で伝える武器となるのです。

 (メイドインジャパン・ハラール支援協議会理事長)    

獺祭は、コーシャ認証だけでなく英国ヴィーガン協会の認証も取得している

獺祭は、コーシャ認証だけでなく英国ヴィーガン協会の認証も取得している

 
 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第39回「にっぽんの温泉100選」発表!(2025年12月15日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2025年度「5つ星の宿」発表!(2025年12月15日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第39回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング 」(2026年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト50を発表!

2025年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング」(2026年1月12日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒