JTBは、2026年3月期(2025年4月~2026年3月)の連結決算を取りまとめた。
1.全体概況
JTBグループは、2025年度のテーマとして掲げた「未来から現在(いま)を創る~ビジネスモデル変革の加速~」という方針のもと、事業の持続的拡大と経営基盤の強化を推進した。
当期は、世界的な人流拡大と、訪日外客数(4268万人)および国内旅行消費(約26.8兆円)の過去最高更新という追い風を受け、JTBグループの売上高は旅行全体で前期比105%を達成した。特に訪日旅行や第三国間のグローバル旅行が大きく伸長し、好調な業績に貢献した。旅行以外においても、MICE、大阪・関西万博関連でのパビリオン運営や催事運営、商事領域、決済領域等が堅調に推移し、取り扱いが拡大した。
また、将来を見据えた基盤整備として、専門人財の採用や賃金改善、財務基幹システム刷新、AI・デジタル分野への積極的な投資を実施した。さらに、グローバル事業の強化としてツーリズム業界におけるB2Bメディア企業世界最大手Northstar Travel Groupの株式譲受をした。ブランディング活動やサステナビリティ経営、組織開発などの取り組みも加速し、多角的な事業変革と成長基盤の強化に注力した1年となった。
これらの取り組みの結果、売上高は1兆1333億円(前期比106%)、経常利益は173億円(同104%)となり、増収増益を達成した。

2.事業別ハイライト
◆ツーリズム事業
法人領域=教育マーケットでは学校課題や大学、自治体の課題解決に踏み込んだ提案、法人マーケットでは一企業に対する複数案件への取り組み強化により前年より取り扱いを伸長した。また、World Baseball Classicでの実績を通じて、グローバルスポーツにおけるホスピタリティプロバイダーとしての地位を確立した。
個人領域=顧客体験価値向上とCRM強化により、チャネル横断での顧客対応の整備、アプリ機能やプレミアム会員特典を拡充した結果、トラベルメンバーは100万人増の2270万人に増加した。SNS・リアルイベントを通じた顧客接点を強化し、インフルエンサー連携や価格訴求型商品、話題性のあるテーマ旅行商品の展開により、新規顧客を獲得した。
訪日インバウンド=市場の追い風を受け、法人向け訪日インバウンド需要に対応する体制の強化を図った。個人向けでは海外OTA提携と訪日仕入営業を強化し、インバウンド流通を拡大した。
◆エリアソリューション事業
観光DX領域=活況なインバウンド市場を背景に、体験アクティビティの予約・販売プラットフォーム「JTB BoKUN」の販売流通額が過去最高を記録した。宿泊事業者向けの課題解決に向け、アクティバリューズ社と提携のうえ、運営基盤から決済、SaaSまで一貫したソリューションの提供を開始した。社会課題であるオーバーツーリズム対策として、手ぶら観光サービスを開始した。
観光地整備・運営支援領域=ふるさと納税領域においては取扱寄付額が過去最高を達成した。商事領域は高稼働な宿泊事業者への消耗品販売が好調に推移し、金融・決済領域では宿泊施設の公式サイトで予約から事前決済まで完結できるサービス(JTB Book&Pay)での決済額が大幅増加した。
エリア開発領域=重点エリアでのコンテンツ開発を推進した。大阪・関西万博や2030年開業予定の大阪IRにより増加が見込まれる訪日外国人をターゲットとしたナイトエンタテイメント「OSAKA VARIETY ACT SHOW」を道頓堀で開始した。万博ではパビリオン運営やオリジナルの商品造成、プロモーション、物販の領域において、JTBグループの総合力を発揮し、グループ全体の取り扱い領域を拡大した。
◆ビジネスソリューション事業
ABM(Account Based Marketingの略)=戦略高度化とデータ活用強化により、マーケティングデータ分析で未捕捉領域を可視化した。さらに、リアル・デジタル施策と営業連携で、顧客課題起点の効果的な施策を実行した。
Meetings&Events領域=コロナ禍以降最大の市場回復率を追い風とし、戦略的PDCAサイクル実装で受注確率の向上を達成した。さらに基盤強化のため、新たなベニューの開発やリスクマネジメントの仕組みを体系化するベンダーマネジメントを担う部署を新設した。
ビジネストラベル領域=新システム「ビズバンス出張予約」への移行とリブランディングが順調に進み、手数料改定やサステナブルな付加価値提案で顧客基盤を拡大した。
◆グローバル領域
グローバルDMC事業=アジア発ヨーロッパ行きのグローバルインバウンド事業が堅調に推移し、生産性・収益性ともに高水準を維持しDMC事業をけん引した。シートインコーチ事業(コース組み合わせ自由のバスツアー)はEuropamundo社がヨーロッパおよびアジアにおいてコース拡充と商品の販売地域の多様化を進め、カナダのカルガリー社での販売も拡大、利用者数が19.5万人と増加した。また、日本市場向けヨーロッパ周遊バスツアー「ランドクルーズ」も取り扱いを伸長した。
グローバルビジネスソリューション事業=MICE領域は需要回復と訪日外国人旅行者増加を背景に、取扱件数・売り上げを伸ばし、グローバルビジネスソリューションサイトを活用し新規需要を創出した。





