山梨県は5月22日、シェフや生産分野の専門家、インフルエンサーなど各分野の第一線で活躍する12名を「名誉桃ソムリエ」に認定した。
甲府市内で開かれた就任式では、長崎知事が出席者一人ひとりに認定証を交付。80種類以上ある桃の品種それぞれの個性と魅力を広く発信していく「伝道師」たちが正式に誕生した。
「桃は桃」の常識を変えたい
就任式は同日午後3時から、山梨県甲府市丸の内1丁目のベルクラシック甲府3階「ユージェニー」で行われた。
長崎知事は挨拶の中でこう述べた。
「山梨県は桃の生産量が日本一でありながら、80種類以上ある品種を見分けられる人は多くありません。それぞれ個性があるにも関わらず、見た目が似ているために認識されていない現状は、生産者にとっても、また消費者にとっても残念なことです」
そのうえで、「名誉桃ソムリエの皆さんには、品種ごとの個性や魅力を発信していただきたい。それが産地の後押しや生産者支援にもつながります。県をあげて桃の魅力を全国に発信していきたいと思います」と今後の活躍に期待を寄せた。
アイドルからシェフ、専門家まで多彩な12名
認定を受けた名誉桃ソムリエは以下の12名(五十音順)だ。
- 河西 結心(かさい ゆうみ)「つばきファクトリー」メンバー
- 加藤恵美子(かとう えみこ)野菜ソムリエ上級プロ
- 金子 博文(かねこ ひろふみ)「山梨県立博物館内ミュージアムカフェ葡萄屋 kofu」監修
- 小堀 夏佳(こぼり なつか)「日本野菜テロワール協会」代表理事
- 鈴木 信作(すずき しんさく)「Terroir 愛と胃袋」オーナーシェフ
- 反田 公紀(そった こうき)生産分野の専門家
- 田添 咲香(たぞえ さやか)「ABC Cooking Studio」商品開発購買部メニュー開発担当
- 並木麻輝子(なみき まきこ)料理・菓子ジャーナリスト、各国食文化研究家
- 古屋 浩(ふるや ひろし)「株式会社プロヴィンチア」代表取締役
- 村上しずか(むらかみ しずか)「JEWEL FRUITS」Founder/「ジュエルフルーツやまなし」代表
- 桃衣 香帆(ももい かほ)インフルエンサー
- 山田 眞治(やまだ しんじ)「キュイエット」オーナーシェフ
料理・菓子の世界で活躍するシェフやパティシエ、野菜・果物の専門家、食文化研究家、さらにアイドルグループのメンバーやインフルエンサーまで、発信力と専門性を兼ね備えた顔ぶれとなった。
「県外で差し入れした際に大変喜ばれた」
就任式では、名誉桃ソムリエを代表して「つばきファクトリー」メンバーの河西結心さんが挨拶を行った。
「桃が身近にある環境で育ちましたが、県外で差し入れをした際に『硬くておいしい桃』と大変喜ばれたことが印象に残っています。名誉桃ソムリエとして、多くの方に桃の魅力を伝え、県外、そして世界へ発信していきたいです」
桃の産地・山梨で育ちながらも、県外でその魅力の「再発見」を経験したという実感のこもった言葉だった。
式の最後には出席者全員で記念撮影を実施。青と白を基調にした「名誉桃ソムリエ就任式」の看板と「MOMO SOMMELIER」のロゴが掲げられた会場で、認定証を手にした12名が今後の活動への決意を新たにした。
ほ場での現地視察も
就任式に続き、同日午後4時30分から、山梨県果樹試験場の桃ほ場で視察が行われた。
名誉桃ソムリエ反田公紀さんによる桃栽培の解説や村上しずかさんと古屋浩さんによる桃のカッティング、桃2品種の試食および記念撮影が実施され、生産現場を実際に体感する機会となった。
「桃ソムリエ」制度の創設と今後の展開
今回の「名誉桃ソムリエ」認定は、山梨県が新たに創設した「桃ソムリエ」制度の一環だ。
同制度は、品種ごとの特徴や魅力を分かりやすく発信できる人材を認定するもの。「桃は桃」という固定観念を覆し、80種類以上の品種それぞれが持つ個性を消費者に伝えることを目的としている。
名誉桃ソムリエは、令和8年11月に予定されている「桃ソムリエ」認定試験に先立ち、今年の桃シーズンからそれぞれの専門的知見と発信力を生かし、品種ごとの違いやおいしさ、ストーリーを国内外へ発信していく。
山梨県は、これらの取り組みを通じて桃のブランド価値向上と「桃ソムリエ」制度の認知度向上を図る方針だ。





