私の視点 観光羅針盤
2026年7月から、パスポート取得手数料が大幅に引き下げられる。18歳以上の大人が有効期間10年でオンライン申請する場合、現在の1万5900円から約44%安い8900円となる。インバウンドが過去最高を更新する一方、日本人のアウトバウンド回復が遅れる現状を踏まえれば、この制度改正は単なる行政手続きの見直しではなく、日本人の海外渡航促進という観点でも大きな意味を持つ。
さらに注目すべきは、その財源構造である。政府は同じタイミングの2026年7月から国際観光旅客税、いわゆる「出国税」を現在の千円から3千円へ引き上げる方針だ。実に3倍への増額となる。訪日外国人が急増する中、その財源の一部を日本人の海外渡航促進へ還元するという考え方は、観光政策としても合理性がある。
実際、2025年の訪日外国人数は約4270万人と過去最高を更新した一方、日本人出国者数は約1473万人にとどまり、コロナ前の2019年の約2008万人にはなお届いていない。インバウンドは拡大しているのに、日本人だけが海外へ出なくなっている構図が鮮明になっている。
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