柳川氏
ローカル視点で地方創生
弊社は丹波市で丹波の「栗・黒豆・大納言小豆」の加工業および和洋菓子の製造販売を営んでいる。丹波市には、外部から誘客につながるテーマパーク的な施設もなく、一番の観光資源といえば「栗・黒豆・大納言小豆」を代表とする農産特産物である。しかしながら丹波地域の生い立ちは、京阪神市場への原料供給の町としての歴史があり、「モノ価値からコト価値」といわれるような活用がなかった。高値で流通するブランド産品にあぐらをかいていたとも言える。要するに、付加価値がなく丹波地域への経済効果としての広がりもなかった。
現在では、道路も整備され都市部との交流も容易になり、丹波地域の活性化には交流人口、関係人口の増加施策が不可欠である。そして魅力的で吸引力のある丹波ならではの商品展開と「受け皿」としての拠点が必要となる。
弊社では「丹波素材で奏でるライブステージ」をコンセプトに『夢の里やながわ本店』を集落の奥まったところで展開し、できうる限り丹波素材にこだわった和洋菓子と特産加工品の直営販売をしている。その道向かいには自治会法人「ゆめの樹野上野」が経営する活用拠点施設『ゆめの樹館』で団体顧客をメインに食事の提供とお菓子作りの体験をしている。また、近くの『道の駅 丹波おばあちゃんの里』では「ちいき百貨店」を掲げ、生鮮野菜から加工品まで丹波ならではの品ぞろえをしている。それぞれが市外のお客さまをターゲットに、特徴のある受け皿として機能している。
『地方創生』の戦略には、その地域ならではの足元にある観光資源の活用が効果的と考える。持続可能な仕組みの構築には、人・物・金を主とした経営資源の好循環が必要となる。その循環が失われていく状況にある現在、それぞれの地域が観光資源を生かしたインパクトのある戦略投資が未来の扉をひらく鍵となる。
丹波市の場合、農村農地の維持管理が喫緊の課題であり、丹波ブランドを育んでくれた強みであるはずの農地が負の財産となりつつある。丹波の特産農産物は日本のみならず世界に誇れる観光資源であり、それを地方創生の経営資源として生かすことが、裾野の広い地域ぐるみの取り組みになると考える。
観光立国を目指す国策は、地方においても課題解決を図る考え方といえる。グローバルな視点を必要とする現在ではあるが、ローカルな視点とこれを生かす観光戦略こそがそれぞれの地域を元気にする地方創生戦略ではないだろうか。

柳川氏




