【駅メロとわずがたり52】 JR高崎駅 「空っ風」が吹く音楽の街、ロックの街 藤澤志穂子


布袋さんの「夢に終わりなはい」というメッセージの刻まれたプレート

布袋さんの「夢に終わりなはい」というメッセージの刻まれたプレート

 BOOWY、BUCK―TICKなど、有名ロックバンドの故郷でもある高崎市は、地方オーケストラの草分け的存在とされる「群馬交響楽団」も擁する「音楽のある街」として知られる。上越・北陸新幹線ホームの発車メロディは、BOOWY出身のギタリスト、布袋寅泰さん(64)のオリジナル曲で、上りが「Great Messenger」、下りが「さらば青春の光」で2021年7月に採用された。

 高崎市出身の布袋さんは当時、「ふるさと高崎駅のホームに自分の音楽が流れるなんて夢のようです。『いってらっしゃい』『お帰りなさい』、そして『ようこそ高崎へ!』。旅する皆さんを軽快なメロディとともにお待ちしています」とコメントしている。群馬交響楽団が拠点を構える高崎芸術劇場のそばには、布袋さんのシンボル「ギタリズム」をあしらったマンホールがある。

 高崎市は「さまざまなジャンルの音楽で街をにぎやかにしたい」と、支援を惜しまない。6月27、28の2日間にわたり開催される「TAKASAKI CITY ROCK FES.」もその一つで、今年で3回目。大型コンベンションホール「Gメッセ群馬」などで、ウルフルズなど多くのアーティストが参加する。布袋さんの「Great Messenger」はGメッセのテーマソングでもある。

 そして、高崎市には全国的にも珍しい、市営のプロ向けレコーディングスタジオがある。高崎市出身の音楽プロデューサー、多胡邦夫さん(51)が運営を引き受けている「TAGO STUDIO TAKASAKI」で2014年に開設、昨年4月に11周年を迎え、記念の見学会とミニライブを開催、多くの市民でにぎわった。多胡さんは浜崎あゆみやAKB48など多くのアーティストに楽曲を提供してきた。

 また、このスタジオでは布袋さんがアルバム「Still Dreamin」(2022)を録音している。60歳の誕生日である2022年2月1日に発売された、デビュー40周年、20作目となる節目の作品だった。布袋さんは当時「コンセプトは“元気になるアルバム”。毎日気持ちをリセットして新しい気持ちで一歩前へ踏み出す活力となればうれしい」などとコメントしている。

 スタジオには布袋さんの「夢に終わりなはい」というメッセージの刻まれたプレートが掲げられ、壁には直筆のサインがある。「布袋さんは、自分の節目に当たり『高崎なら特別な空気が閉じ込められる』と考えたそうです。赤城山と榛名山から吹く空っ風が、高崎でロックが育つ土壌を作った。寒くて、U2が出たアイルランドのようなイメージもありますね」。

 東京から新幹線で1時間という高崎の地の利と、市営で利用料金が割安という利点を生かし、プロのミュージシャンの利用に加え、若手の育成にも活用したいと多胡さんは言う。「音楽専門学校のインターンを受け入れる、アマチュアバンドの移住をサポートするなどいろいろ取り組んでいます。BOOWYのようなスターを高崎から出したいですね」。

 ※元産経新聞経済部記者、メディア・コンサルタント、大学研究員。「乗り鉄」から鉄道研究家への道を目指している。著書に「釣りキチ三平の夢 矢口高雄外伝」(世界文化社)、「駅メロものがたり」(交通新聞社新書)など。

布袋さんの「夢に終わりなはい」というメッセージの刻まれたプレート
布袋さんの「夢に終わりなはい」というメッセージの刻まれたプレート

 
 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第39回「にっぽんの温泉100選」発表!(2025年12月15日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2025年度「5つ星の宿」発表!(2025年12月15日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第39回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング 」(2026年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト50を発表!

2025年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング」(2026年1月12日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒