【専門紙誌5社共同企画】各紙誌の視点で見る「外国人材」による地方創生 ハウジング・トリビューン 外国人の住まい確保 住宅業界で取り組み広がる


ビレッジハウス・マネジメントは広島県三原市で防災イベントを開催、111人の留学生が参加した

 外国人の人材活用が進み、日本居住の外国人が増える中、住宅確保が大きな課題になっている。「地方では外国人に対してのアレルギーがあり、住居確保が難しい」(クールコネクト・神戸翔太社長)のが現実だ。例えば、まちの不動産屋でも外国籍という理由で断られることもある。高齢者、LGBTQ、生活保護利用者と並び外国籍の人は住まい探しに困難を抱える「住宅弱者」と呼ばれるのが現実だ。

 こうした中で住宅業界では「外国人の住まい確保」の取り組みが広がりつつある。

 ビレッジハウス・マネジメントは「ビレッジハウス」のブランドで、全国47都道府県で2960棟・10万8409戸(26年1月1日現在)のアフォーダブル住宅(手頃な家賃で住むことができる住宅)を展開する。あらゆる世代の単身者やファミリーのほか、高い割合で外国人も入居しており、その割合は18%を超えている。外国人労働者は基本的に賃貸住宅需要層で、技能実習生であれば受け入れ企業が社宅を用意する必要があることから法人需要が、特定技能外国人であれば法人需要と個人需要がある。いずれにしても手頃な家賃の住宅が求められる。

 同社は福岡と名古屋にコールセンターを置き、約60人が入居者対応、部屋探しの問い合わせに応じているが、「インターナショナルサポートチーム」も設置し、27人が6カ国語で対応している。また、外国人入居者が地域の高齢者や子供たちに母国の料理をふるまうといったコミュニティを醸成するイベントや、外国人が不安なく暮らせるように日本の災害特性や日頃の備えの重要性などを学ぶイベントなども行っている。

 クールコネクト(群馬県伊勢崎市)は、企業向け外国人社宅サービスを25年にスタートした。空き家を外国人向けの寮として活用、稼働率を高めた上で投資家に売却することで、空き家問題の解決と外国人労働者の生活支援を両立させるモデルだ。投資家の視点からは、仲介会社を介さず仕入れから販売までを1社で完結できるため低価格で利回りの良い物件を取得することができる。住居提供からライフライン契約までをワンストップでサポートすることがポイントで、電気・水道の契約から携帯電話の契約、引っ越し代行まで生活に必要なものをそろえている。

 特定技能人材の教育・紹介を行うONODERA USER RUN(東京都千代田区、加藤順社長)は、茨城県境町と連携して空き家の有効活用と同社が紹介する特定技能人材による地方創生の取り組みを進めている。同町には同社グループのONODERAフードサービスがオープンした店舗、工場に就業する外国人材が居住する。外国人材の住宅取得で行政と連携するのは同社初の試みだが、近隣住民との関係づくりなどでも効果があるという。慣れない土地で働く特定技能人材にとって安心して暮らせる住まいの確保は人材定着につながる大きなポイントとなっている。

 出入国在留管理庁のデータによると25年末の在留外国人数は過去最多の約413万人で400万人を突破した。国籍を問わず安心して暮らすことができる住居確保の一方で、既存コミュニティとの共存などの環境整備が求められている。


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