東京メトロ全180駅にホームドア 35年かけた整備が完了、転落事故防止に一区切り


日本初導入から35年 9路線すべてに設置

 東京地下鉄株式会社(東京メトロ)は3月26日、同月28日(土)に東西線・原木中山駅でホームドアの供用を開始し、同社が運営する全9路線・180駅へのホームドア整備が完了すると発表した。

 ホームから線路内への転落事故や列車との接触を防止し、利用客により安心した環境を提供することを目的としたもの。1991年11月、南北線の開業(駒込~赤羽岩淵駅間)にあわせて日本の地下鉄として初めてホームドアを導入してから、実に35年にわたる整備の歩みに一区切りがつく。

2017年に全路線整備計画を発表、転落件数は減少傾向

 東京メトロは2017年6月、全路線へのホームドア設置計画を正式に発表。以降、整備率の増加とともに転落事故の件数は減少してきたと同社は説明している。

 路線別の整備年度は以下の通り。

  • 銀座線(19駅):2016年度〜2020年度

  • 丸ノ内線(28駅):2004年度〜2007年度

  • 日比谷線(22駅):2020年度〜2023年度

  • 東西線(23駅):2017年度〜2025年度

  • 千代田線(20駅):2001年度〜2019年度

  • 有楽町線(24駅):2008年度〜2013年度

  • 半蔵門線(14駅):2017年度〜2025年度

  • 南北線(19駅):1991年度〜2000年度(順次開業時より整備)

  • 副都心線(11駅):2008年度(開業時より整備)

 なお、大規模改良工事中の東西線・南砂町駅の一部番線については、工事の進捗を踏まえて整備を予定しているとしている。

フルハイト、ハーフハイト、大開口と3タイプ

 東京メトロが導入したホームドアは、路線の特性に応じて3種類に分類される。天井近くまで仕切る「フルハイトタイプ」(南北線)、腰の高さ程度の「ハーフハイトタイプ」(銀座線)、そして車両のドア位置や開口幅の違いに対応するために開口部を広くとった「ハーフハイト大開口タイプ」(東西線)だ。

 東西線では、異なるドア位置・開口幅を持つ複数の車両が運行しており、従来のホームドアでは対応が困難だった。そこで、すべての車両に対応可能な大開口タイプを新たに導入。開口幅を広げることで、車両の違いを吸収する形をとった。

日比谷線では車両ごと更新、東武鉄道と連携

 日比谷線でのホームドア導入にあたっては、車両側の対応も必要だった。導入前は1車両18メートルの8両編成で、3ドア車と5ドア車が混在していた。異なるドア数の車両が同一路線を走る状況では、ホームドアの位置を統一できない。

 このため、東武鉄道株式会社と連携し、1車両20メートルの7両編成・4ドアの新型車両に統一。これにより、ホームドアの設置が可能になった。

ホーム補強から搬入・設置まで、深夜の突貫作業

 ホームドアの設置には、ホーム自体の補強工事が先行して必要だ。ホームドアの重量に耐えられるよう、線路側に張り出したホームの床などを補強。その後、ホームドアを車両基地に搬入し、運搬列車で設置駅まで運び、ホーム上での設置位置の確認・調整を経て取り付けが完了する。

 今回の最終設置となる東西線・原木中山駅でも、車両基地での搬入作業から運搬列車での輸送、ホーム上での設置位置作業、調整作業という一連のプロセスが踏まれた。

 
 
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