文化庁、「日本遺産」の総括評価で条件付き認定地域を発表 伝統的価値の継承に課題も


 文化庁は12月24日、令和7年7月31日において審査を継続することとなっていた9件について、「日本遺産審査・評価委員会」における審議を経て、再審査を行うこととした6件については、4件を「認定継続」、2件を「認定継続(条件付き)」とし、点数評価プロセスを行うこととしていた3件については、すべてを「認定継続」としたと発表した。

平成28年度認定の「会津の三十三観音めぐり」は条件付き認定継続

平成28年度に認定された「会津の三十三観音めぐり〜巡礼を通して観た往時の会津の文化〜」(福島県)については、認定継続(条件付)とされた。審査結果によると、観光客入込み数や周遊効果について目標を達成し、地域の文化に誇りを感じる住民の割合についても目標を達成するなど一定の成果が認められた。

 しかし、組織体制の明確化や民間事業者の発想や意見が企画に反映されやすい体制づくりが必要とされるなど、今後の課題も指摘された。特に、構成自治体17市町村のシリアル型(複数の自治体にまたがる形態)の日本遺産として、連携を深めて実効性のある体制を整備すること、地域活性化計画に記載の取組を実施する際は、日本遺産のストーリーと地域の資源特性を意識し、民間事業者の活力も取り入れながら取り組むことなどが求められている。

鎌倉市の「いざ、鎌倉」は認定継続、オーバーツーリズム対策に期待

 点数評価プロセスを行った3件の中には、神奈川県鎌倉市の「いざ、鎌倉」〜歴史と文化が描くモザイク画のまちへ〜」が含まれ、認定継続とされた。審査では、前回の総括評価・継続審査の際に課題として提示された項目のかなりの部分が改善され、日本遺産のストーリーを活かし、課題の解決も含め、鎌倉観光の推進をしようという姿勢が認められ、事業全体が一定程度深化していると評価された。

 一方で、特定地域への極度の混雑・集中(オーバーツーリズム)は日本遺産以前から鎌倉が抱える大きな課題となっており、地域住民が快適な暮らしを維持できるような分散マネージメントの施策とその具体的実践が必要だとの指摘も受けた。また、「モザイク」という表現をもう少しわかりやすく表現することや、住民の認知度向上が喫緊の課題であるとの指摘もあった。

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