
日観振の通常総会(10日)
日本観光振興協会(日観振)の通常総会が10日、東京都港区の品川プリンスホテルで開かれた。観光地域づくり、観光人材育成、観光DXを三本柱に、2025年度事業計画のほか、27年度を目標年次とする中期事業計画が発表された。総会後の情報交換会には、来賓として菅義偉元首相(自民党副総裁)、二階俊博・元自民党幹事長(国土強靭化研究所会長)らが出席した。
日観振の菰田正信会長(三井不動産会長)は中期事業計画について、「観光産業をわが国の確固たる基幹産業として、その意義を広く発信するとともに、観光による地域づくりを推進し、観光産業の持続的な発展を実現することをビジョンに掲げ、観光地域づくり、観光人材育成、観光DXの推進に取り組む。課題が複雑化する中で、中長期的な視点を持って着実に事業を推進していきたい」との考えを示した。
中期事業計画の重点施策には、(1)日本の観光振興の中枢機関「ナショナルセンター」としての活動強化(2)観光地域づくり推進による地域社会支援(3)観光DXの基盤化推進と確立(4)観光教育の普及と観光産業を支える人材の育成―などが掲げられている。
情報交換会では、菅元首相がインバウンドの成長に触れた上で、「政府が掲げている2030年のインバウンド6千万人、消費額15兆円という目標も手が届くところまで来ている。さらなる飛躍へとつなげていくために、タテ割りの弊害を越えて、大胆な取り組みを進め、今こそ一致結束する必要がある」と述べた。
二階元自民党幹事長は、大阪・関西万博を日本全体の観光振興に活用する必要性を強調したほか、「日本観光振興協会が中心となり、観光業界全体をより良い方向へと導いてほしい。観光産業の振興のためにお互いに努力し、がんばろう」と観光関係者に呼び掛けた。
この他、来賓として中野洋昌国土交通相をはじめ、公明党の斉藤鉄夫代表、自民党観光立国調査会の鶴保庸介会長、公明党観光立国推進議員懇話会の赤羽一嘉会長らがあいさつした。
日観振の通常総会(10日)