
日本旅館協会はこのほど、会員旅館の2012年度の経営実態を示す「営業状況等統計調査」の結果をまとめた。総売上高、宿泊人員ともに、「大旅館」(100室以上)は前年度の実績を上回ったが、「中旅館」(31〜99室)と「小旅館」(30室以下)は下回った。
日本旅館協会の会員が対象で有効回答は236軒。規模別の内訳は大旅館が48軒、中旅館が106軒、小旅館が82軒。経常利益を基準にすると、黒字が140軒(構成比59.3%)、赤字が96軒(同40.7%)だった。
旅館1軒当たりの総売上高は、大旅館が前年度比16.7%増の18億8575万円とプラスだったが、中旅館が同7.5%減の6億4855万円、小旅館が同12.0%減の1億7196万円。
1軒当たりの年間宿泊人員もプラスは大旅館だけ。大旅館が同4.4%増の9万5103人、中旅館が同5.2%減の3万3950人、小旅館が同3.7%減の8181人だった。
日帰り客や付帯事業などの売り上げを含めない宿泊客1人当たりの宿泊料売り上げは、大旅館が同6.8%増の1万2982円、中旅館が同0.9%減の1万3084円、小旅館は同9.9%減の1万3314円。
定員稼働率は、大旅館が同2.1ポイント増の36.5%、中旅館が同2.4ポイント減の33.3%、小旅館が同2.6ポイント増の28.3%だった。
宿泊予約の経路の構成比は、旅館の規模を問わない平均値で、旅行会社(リアルエージェント)が55.2%、ネットエージェントが13.1%、自社サイトが6.8%。残り24.9%が直接販売などとみられる。
宿泊人員に占める外国人の割合は3.4%で、大旅館は4.0%、中旅館は1.8%、小旅館は7.9%だった。地域別にみると、北海道が15.3%、関西が4.4%と高いが、他の地域は1.0〜2.4%の範囲にとどまっている。
