草津温泉(群馬県草津町)の2019年度の入込数は前年度比6%増の327万1646人となり、過去最高となった。「(インバウンドに)全面的に依存しない施策が奏功した」と同町観光課。ただ、新型コロナウイルスの影響は3月から顕著に出始め、休館に踏み切る宿泊施設も出ている。
入込数を月別にみると、年度前半は2桁増が続き、19年6月は22.2%増の24万7971人を記録。ゴールデンウイークや年末年始も当然ながら客足は多く、12月は32万6786人と30万人の大台を超えている。
宿泊客数は同5.9%増の224万4132人、日帰り客数は同6.2%増の102万7514人だった。
20年になっても勢いは止まらず、1月は同4.5%増の27万5364人、新型コロナが話題になり始めた2月でも同4.0%増の25万9987人と好調を維持。「卒業旅行などで訪れる人が多かった」(観光課)とみている。
潮目が変わってきたのは3月からで、入り込みは26万9344人ながらも、伸び率は10.9%のマイナスとなった。宿泊客、日帰りも同様。新規予約が入ってこないため、休館する施設も。
町は「現状、観光客に来てくださいとは言えない状況」とし、誘客宣伝も見合わせている。ただ、終息宣言が出た後は反転攻勢に出る意向を示している。