インバウンド購買意欲、3期連続で低下 中国発・中東経由便の運休・減便が直撃


現状判断DIは前四半期比7ポイント減の50に 年初から鮮明な下落基調

 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社と株式会社インジェスターは5月14日、全国の小売店を訪れる訪日外国人観光客の購買意欲を測定する指数「インバウンド購買意欲指数」の2026年第1四半期(1〜3月)の結果を発表した。現状判断DIは前四半期比7ポイント減の50と大きく落ち込み、「中国発・中東経由の航空便の運休や減便が相次ぎ、購買意欲は低下した」と説明している。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングとインジェスターが共同で算出・公表するインバウンド購買意欲指数は、訪日外国人観光客による購買の動向を的確かつ迅速に把握し、関係分野における経営判断・景気判断等の参考資料とすることを目的として開発された指数だ。

 2026年第1四半期の結果では、三つの主要指標がいずれも前四半期から低下した。

 現状水準DIは前四半期比4ポイント減の55。現状判断DIは前四半期比7ポイント減の50。先行き判断DIは前四半期比4ポイント減の55。

 なお、本指数では平均回答者数が50を下回る期間に対応した算出値は参考値としている。2026年第1四半期の平均回答者数は73であり、参考値扱いは解消されている。

四半期データが示す一貫した下落の軌跡

 四半期系列のデータを遡ると、3期連続の低下傾向が数字に刻まれている。

 2025年第2四半期(参考値)は、現状水準DIが65、現状判断DIが62、先行き判断DIが65、平均回答者数が45だった。

 2025年第3四半期(参考値)は、現状水準DIが64、現状判断DIが62、先行き判断DIが64、平均回答者数が37。

 2025年第4四半期(参考値)は、現状水準DIが59、現状判断DIが57、先行き判断DIが59、平均回答者数が36。

 そして2026年第1四半期は、現状水準DIが55、現状判断DIが50、先行き判断DIが55、平均回答者数が73となった。

 現状判断DIに着目すると、2025年第2四半期の62をピークに、62→62→57→50と段階的に下落。約1年間で12ポイント低下したことになる。現状水準DIも65から55へと10ポイント、先行き判断DIも65から55へと10ポイント落ちており、三指標いずれも同様の下落幅を示している。

月次データが映す細かな変動

 月次系列のデータは、四半期の大きな流れの中に、月ごとの細かな動きを浮かび上がらせている。

 2025年4月(参考値)から始まる月次データによると、年央にかけては各指標が60前後の水準を保ち、おおむね横ばい圏での推移が続いた。ところが11月以降は全体的な低下傾向が鮮明となり、2026年に入ってからは50台前半へと水準を切り下げた。

 グラフ上では青(現状水準DI)、赤(現状判断DI)、黄(先行き判断DI)の三本の折れ線が、年初から中盤にかけて60前後を推移した後、終盤に向けて下落するかたちが視覚的に確認できる。画面右端には最新の値として58、56、56、53、53、50、48などの数値が並んでいる。

指数の仕組みと調査の枠組み

 インバウンド購買意欲指数は、DI(Diffusion Index)と呼ばれる手法で算出される。調査客体から収集した判断内容を点数化し、最低0点から最大100点となる指数として示す。50より大きいほど「購買意欲が強い」、小さいほど「購買意欲が弱い」と判断されることになる。

 現状判断(水準)の評価と点数の対応は以下の通りだ。

  • 良い:+1点

  • やや良い:+0.75点

  • どちらともいえない:+0.5点

  • やや悪い:+0.25点

  • 悪い:0点

 調査は毎月2回、月中と月末時点で実施され、アンケート回収期間はその後の1週間だ。調査対象は、インジェスターが全国の小売店に派遣している販売員であり、各店舗で取り扱われているすべての商品が調査対象品目となっている。訪日外国人観光客による購買意欲の動向を敏感に察知できるよう、店頭で訪日外国人の接客を担当する者が調査客体として選ばれている。

 主な調査事項は三項目。訪日外国人観光客による購買意欲の水準に対する現状判断(水準)、前月と比較した訪日外国人観光客による購買意欲の方向性に対する現状判断(方向性)とその理由、そして訪日外国人観光客による購買意欲の先行きに対する先行き判断(方向性)とその理由、の三つだ。

 調査結果として発表される指数は三種類。現状水準DI、現状判断DI、先行き判断DIである。現状水準DIは訪日外国人による購買意欲の水準を示し、現状判断DIは前月比での方向性を反映する。先行き判断DIは今後の動向に対する店頭担当者の見通しを数値化したものだ。

四半期・月次以外のデータも提供

 各指数の原系列、四半期系列と月次系列の四捨五入前の値、各系列の地域別(関東、関西)・使用言語(英語、中国語)別・商品区分別の値や、それぞれの方向性判断における回答者のコメントについては、個別に販売予定としている。商品区分は10区分プラスその他で、区分の詳細は問い合わせで確認できる。

 なお、四半期系列は月次系列(四捨五入前)の単純平均を四捨五入して整数値にしたもの。月次系列は原系列の単純平均を四捨五入して整数値にしたもので、それぞれ異なる集計方法が採用されている。

 
 
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