日本政府観光局(JNTO)が11月21日に発表した2018年10月の訪日外国人旅行者数(推計値)は、前年同月比1.8%増の264万1千人で10月として過去最高だった。前月の9月は台風被害に伴う関西空港の閉鎖、北海道胆振東部地震などの影響で前年同月の実績を下回ったが、増加に転じた。ただ、韓国、香港は、自然災害の影響が残り、マイナスとなった。
最大の訪日市場となっている中国は7.8%増の71万5300人で、10月として過去最高だった。自然災害の訪日旅行への影響は限定的で、個人旅行が訪日需要をけん引した。
韓国は8.0%減の57万1200人。JNTOでは「航空座席供給量は増加したものの、昨年は10月だった秋夕(チュソク、旧盆休暇)が今年は9月下旬だったことに加え、人気の旅行先の北海道で発生した地震の影響が一部に残った」と指摘した。下げ幅は前月9月の13.9%減からは縮小した。
香港は0.9%減の16万9500人。韓国と同様に航空座席供給量は増加したが、自然災害の影響が一部に残った。
台湾は9.9%減の37万9600人だった。昨年は10月だった中秋節休暇が今年は9月だったほか、昨年は4連休だった国慶節の休暇が今年は1日だったことが影響。台風接近に伴うクルーズの欠航もあった。
東南アジア、南アジアでは、タイ、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インドが10月として過去最高を記録した。タイが13.9%増の11万7900人、フィリピンが12.4%増の4万7300人、ベトナムが21.4%増の3万9400人など。休暇の減少が影響したマレーシアは0.7%減の3万9100人とマイナスだった。
欧米豪では、政府の訪日旅行の重点市場9カ国全てが2桁の伸び率。米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、スペイン、豪州は10月として過去最高だった。JNTOでは、好調の要因を「クルーズ需要や訪日旅行プロモーションの効果」と指摘する。
主な市場では、米国が14.3%増の14万4千人、豪州が20.2%増の4万7400人、英国が11.1%増の3万6900人、フランスが13.7%増の3万4300人、ドイツが12.8%増の2万4900人などだった。